「親を大事にしろ」
人はそう、口を酸っぱくして言うけれど。
生まれてくる親を、子は選べない。
名誉や金にすがった親の“自己愛”の犠牲となった、上流階級の子どもたち。
代々続く地方開業医の娘として生まれた七海(31)も、そのうちの一人であった。
父の死をきっかけに、母は本性をあらわした。そんな母との関係に苦悩する女の、“幸せをかけた闘い”が幕をあけるー。
七海は、父の死後少しずつおかしくなっていく母の様子に気がつく。
母は、父が大切にしていた車や時計を「必要ない」と言って次々と売り払ってしまう。さらには、都内の超高級マンションを購入していたのだった。
「七海に紹介したい男友達がいるの。七海の写真見て、すごく気に入ったらしいんだ。ああいうの、一目惚れっていうのかな?」
ある日、高校時代からの親友・美寿々から突然そう言われたとき、私は全く気乗りせず、むしろ弱気になった。
「…でも、実際に会ってガッカリされたらどうしよう?」......
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この記事へのコメント
娘が素直に育ってて気がつかなかった。
夫が亡くなっておかしくったのかと思ってたけどこれは本当に嫌なお母さんだわ。