新橋の中でも“オヤジの聖地”ともいえる大衆酒場街の先に、なんとデートに最適な名店が隠れていた。
都内でも最高級のレベルであるこのフランス料理店に伺えば、あまりの世界観の違いに、新橋の奥深さを体感するはずだ。
大人の自尊心を満たすのは高品位な空間と一期一会の極上フレンチ
『Restaurant La FinS』
何も言わなくても、ここに行くだけで本命の相手に気持ちが伝わる。
経験できるのは、リッチな空間で過ごす贅沢なひととき。二度と食べられぬその日限定のメニューもふたりの思い出になるだろう。
正直、その辺の旅より『レストラン ラ フィネス』の方が非日常。そう言い切れるのは、ここでの時間がいくつもの特別感に溢れているからだ。
まず、限定8席にしては50坪とかなり広く、かつ5つ星ホテルのように優雅。そうこう驚いているうちにカウンターに通され、シャンパンをいただく。
ご挨拶程度の一杯と違う豪華なシャンパンに、最上のアテも登場。5種のアミューズは、ディナーへの期待を存分に高める旨みの塊。すでに高揚してテーブルに移動すると、テーブルウエアの美しさが格別だ。
たとえば水のグラスは希少な「エルメス」で販売される「サン・ルイ」をセレクト。「水にもお金をいただく以上、日常では使わないものをご用意しました」とは、オーナーシェフの杉本敬三氏。
最上級のホンモノを提供するのは、明確なビジョンのもとにフレンチを突きつめてきた杉本氏ならではの個性だ。料理の道を志したのは8歳のとき。
19歳で渡仏し、22歳でひとつ星レストランのシェフとなった。
32歳で帰国し店をオープンさせたのが7年前。自身を〝独学者〞と言い、そんな杉本氏の世界を体感できるのがここでのコース料理なのだ。
メニューには素材のみを記載。杉本氏がゲストと話をし、スタイリストのように一品ずつをコーディネートしていく。
料理によって使い分けるフォンは6種、取引している魚業者は全国60軒、ひと皿70万円の銀の器を使用する。これら数字をみるだけで、どう圧倒的か少し伝わるだろう。
桑名のハマグリと三河湾の本ミル貝を京都福知山の筍とともに食す。
そしてワインは、フランス時代にワイン造りも経験していた杉本氏の〝お友達〞の銘酒がそろう。
「ひと皿作った時に、どの生産者に食べてほしいかを念頭にワインを選んでいます」とペアリングを決める。美酒美食への逃避行は、西麻布に行かずとも体験できるのだ。
いつもと違う「上質な新橋」を大人は知っておくべき!
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