神戸嬢戦争 Vol.8

関西の「読者モデル全盛期」から早10年。アラサーになったカリスマ神戸嬢が感じる、焦燥感

アラサーの神戸嬢を語るには欠かせないある“時代”が、神戸にはあった。

2000年代初期、今なお語り継がれる関西の「読者モデル全盛期」だ。

それは甲南女子大学・神戸女学院大学・松蔭女子学院のいずれかに在籍する、容姿端麗な神戸嬢たちが作り上げた黄金時代である。

しかし時を経て読モブームは下火となり、“神戸嬢”という言葉も、もはや死語となりつつある。

神戸嬢に憧れていた姫路出身の寛子。学生時代には、読者モデル、さらに憧れの菜々子のブランドでのアルバイトをして神戸で名を馳せた。

しかし新作のブランドバッグは持っていて当たり前の世界、また必ず誰かとつながる狭いコミュニティ、月に何度も行われるうわべの女子会

寛子は、これらの拭えない違和感を抱きながらも4年間の花の女子大生活を終えた。

そして時は経ち、寛子は31歳になった。神戸の歴史的な黄金期を送った“元神戸嬢”たち。彼女たちの現在は…?


―次の神戸組の会は、オリエンタルホテルのパシフィックね!

LINEの着信音が鳴り、寛子はiPhoneを手に取った。「神戸組」とは、寛子が仲良くしているLINEグループ名だ。

神女時代から仲の良い4人に圭子を加えた、5人グループ。寛子にとっては今も、唯一気のおけない友人たちである。

あの時代を共に生き、過ごした仲間。何かとグループ名をつけたがるのは、大学生の頃からの名残だ。

当時は、まさか圭子ともこんなにも仲良くなる日が来るとは思わなかった。

圭子が彼氏といるのを見た一件以来、彼女とは急激に仲を深めた。同じアルバイト仲間だった由美子も圭子と仲を深め、気付けば皆が自然と仲良くなっていたのだ。

由美子と圭子は、ちょうど20代前半で結婚。由美子には3歳になる可愛い長男がいて、圭子の結婚相手は学生時代から付き合いっていた彼だ。

寛子を含めた残りの3人は、独身のまま。

ちょうど、周りの友人の半分が既婚者、半分が独身。既婚者のうちの半分に子どもが居て、独身のうちの半分に彼氏が居ない。寛子たちも、そういう年頃になった。

“神戸嬢”であったあの頃の時代は終わり、“元神戸嬢”になったのだ。

“元神戸嬢”、新しい時代の幕開けとなる。

【神戸嬢戦争】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo