神戸嬢戦争 Vol.5

下剋上は不可能?真の神戸嬢として必要な“3K”条件に打ちのめされた女

アラサーの神戸嬢を語るには欠かせないある“時代”が、神戸にはあった。

2000年代初期、今なお語り継がれる関西の「読者モデル全盛期」だ。

それは甲南女子大学・神戸女学院大学・松蔭女子学院のいずれかに在籍する、容姿端麗な神戸嬢たちが作り上げた黄金時代である。

しかし時を経て読モブームは下火となり、“神戸嬢”という言葉も、もはや死語となりつつある。

高校時代から神戸嬢に憧れていた姫路出身の寛子。大学入学後は読者モデルデビュー、さらに人気ブランドでのアルバイトが決まり、理想の神戸嬢ライフを手に入れていた。

そして大学の友人・利恵に誘われた、甲南ラグビー部との食事会で出会った弘孝とデートするが、神戸のネットワークの狭さや、亜由香の妬みに驚きを隠せない。

”神戸嬢”のさらなる高みを目指す寛子だが、そう簡単に進まないのだった。


寛子の人気はうなぎのぼりだった。

入学式スナップを皮切りに菜々子のブランドで働き始めたことで、着実に寛子の名は神戸の中で広まっていたのだ。

お店にも寛子目当てに会いに来る客がつき始め、「神女の寛子ちゃん」から「菜々子のブランドの寛子ちゃん」と呼ばれることが定着。寛子が所属する神女4人グループ、また亜由香率いる南女松蔭7人グループは、神女・南女・松蔭の1回生の中での2大グループとなっていた。

さらに、寛子は甲南の弘孝とデートを重ね、お付き合いを始めた。

そう、このときは何もかも順調だった。

…しかし寛子の順風満帆な女子大ライフに、だんだんと暗雲が立ち込み始めた。



「次のスナップ、神戸読モのおソロアイテム特集で!寛子ちゃん、バレンシアガのクラシックシティ何色持ってる?」

寛子が読者モデルをしている雑誌の関西担当女性ライターから、寛子に電話が入る。

この女性ライターこそが、入学式で寛子をスカウトしてくれた張本人だ。

次の号では、読者モデルの“お揃いかぶりアイテム”を、私物で紹介する特集が行われるらしい。この雑誌の、人気特集である。

憧れの読者モデルたちの、私物ハイブランドアイテムを紹介するこの特集は、高校生の寛子にとって遠い世界のことだった。それが今、自分にもその機会が訪れているのだ。

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