2018.10.08
デスパレートな2人 Vol.12―社内恋愛―
会社員なら誰しもが一度は経験するであろう、秘密の恋。
毎日会えて、仕事のことも分かりあえる。もしかしたら普通の恋より、濃密な関係が築けるのかもしれない。
しかし…。
時にその濃密過ぎる関係が、残酷にも2人を切り裂くきっかけにもなりうる。
これは、ある会社で起こったリアルな“社内恋愛の悲哀”であるー。
「デスパレートな2人」一挙に全話おさらい!
第1話:「3回のデート無駄じゃない?」憧れのやり手営業マンとの幸せな恋に、忍び寄る暗雲
社会人としてある程度のスキルと経験を積んだ27歳の時、結衣はいまの会社へ転職した。前の会社より規模はずいぶんと小さいが、勢いのあるIT企業である。
白を基調としたスタイリッシュなオフィスには「結果が全て」という文化が浸透しており、向上心が強い人たちがイキイキと働き、毎日が刺激に溢れていた。
そして結衣はここで、健と出会ったのである。
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第2話:「同棲しない?」交際1ヶ月、秘密の社内恋愛中の男から受けた提案。その衝撃的な理由に揺れる女心
「同棲しない?」
「え……?」
唐突過ぎるその提案を飲み込めず、思わず聞きかえす。まだ付き合って1ヶ月。徐々にお互いの生活リズムや価値観を掴みかけてきたところである。
結衣の動揺を悟ってか、健はその理由を淡々と説明し始めた。
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第3話:ヤリ手創業者vs保守的な社長の派閥争い。社内派閥に巻き込まれ、歪み始めた2人の愛
―私たち、これからどうなるのだろう…。
結衣は席に戻ってからも仕事が手につかず、ただパソコンの画面をボーっと眺めていた。会長から、現役員への“ある要求”が発表されたのは、ほんの10分前のこと。
その“要求”というのは、会長が社長宛に送った書面により発覚した。今年の株主総会も例年と同様、「現役員が続投する」という提案に対し、何事もなく採決されるはずだった。
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第4話:既読にならないLINEに、女が1人涙した本当の理由。大好きな彼と同棲しても不安がなくならないのはなぜ?
株主総会終了後、結衣は会場を呆然と見渡した。
社名入りの紙袋に会社案内、株主総会の案内の立て看板。そしてこの日のための、透明な投票箱。
使い終わったそれらの物は散乱していたが、結衣は片付ける気にならなかった。疲れているのか、体が鉛のように重い。
役員席をみると、彼らの姿はなかった。
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第5話:社内派閥抗争により、ブラック企業への一途を辿るITベンチャー。それとともに歯車が狂いだす、社内恋愛中の2人
同棲して初めて、結衣と健は別の部屋で朝を迎えた。縮こまった体勢で寝てすっかり固まってしまった身体を何とか起こし、キッチンに向かう。
健の朝食は和食と決まっているので、ご飯とお味噌汁、それに出汁巻き卵と焼き明太子、簡単なサラダを用意し、起こしに行く。
―…昨夜、健は誰とどこに飲み歩いていたのかな…。わたしのLINEも見ないで…。
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第6話:29歳の誕生日にプロポーズを予感した、甘い夜。しかし決定的な亀裂が2人に入った意外過ぎる理由
「結衣、もうすぐ誕生日だよね?何か欲しいものある?食べたいものとか、行きたいとこでも。」
付き合って2ヶ月経過したが、すれ違いの日々で、デートらしいデートはほとんどしていない。だから誕生日に何をしてほしいかなんて、一切考えておらず言葉に詰まる。すると、健が口を開いた。
「じゃあさ…ロブションを予約しようかなと思ってるけど、いいかな?」
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第7話:「彼と心通わすことを、諦めたくないのに…」社内恋愛の息苦しさに悩む女が受けた、男からの裏切り
定時を過ぎた頃、健が営業部の人と談笑しながら、会社から出て行く姿が見えた。きっと今日も飲みに行くのだろう。スマホを確認するもLINEの通知はない。
はぁ…。今日何度目かの、深呼吸のようなため息が出る。
―今日は、家に一人でいる気にはなれないな…
特段急ぎではない仕事に取りかかりながら、どうしようかと頭を悩ませていた時だった。
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第8話:恋人との同棲中、平然と“昼帰り”した男。28歳のキャリア女が最低男に強く執着する理由とは
どのくらいの時間が経っただろうか。ガチャリと玄関の開く音と共に、健がとうとう帰ってきた。「ただいま」と言うと少し気まずそうに、結衣の顔をちらりと見る。
「…おかえり。どこかで酔いつぶれてないか心配したわ」
結衣は、努めて明るい声を出す。健がこの家にいたくないと思わないように。今夜はちゃんと話し合えるように。
だが健は、結衣が一生懸命保とうとした平穏な心を、いとも簡単に壊すのであった。
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第9話:「ごめん。もう好きかどうか分からない…」29歳女を極限まで追い詰めた、同棲中の男からの残酷な仕打ち
健から聞いた野村の企てを思い出し、苦々しい気分になりながら考え込んでいると、ふと視線を感じた。奈央が心配そうな表情で結衣を見つめていたのである。飲み会の話題に、営業部の悪口も混じっているからだろう。
奈央に声をかけようとしたその時、ちょうど松島がそばを通った。
「あ、松島さん、先日は突然のメッセージにも関わらず、お返事ありがとうございました」
「おお、吉田。ちょうどいいタイミングだったね。ほらこれ」
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第10話:結婚前に、破たんした。「会話ナシ・寝室も別々」状態に陥った、アラサー男女の悲劇
健が家にいる時間は、以前にも増してどんどん短くなっている。マネージャーに昇進して仕事が忙しくなったのはもちろん、新しいマネージャーや役員陣と毎晩のように飲み歩き、交流を深めているらしい。
これは全て社内の風の噂で知ったことだ。もう健とのLINEのトークルームは、2回スクロールをしないといけない程に埋もれてしまっている。
-…一緒に住んでいるのに、噂でしか知らないなんて…。
しかしそんな結衣に、ある大きな変化があった。
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第11話:同棲解消で“人生リセット”を試みる29歳女。置き去りにされた男からの、巧みな駆け引き
最後の荷物を運び終え、ガランとした部屋を見渡す。家を出る際、玄関にあった写真立てが目に入る。それは会社の飲み会で誰かに撮られた、結衣と健のツーショット写真だ。
同棲したその日に勢いで飾ったが、会話がなくなっても取り去るのは気まずくて、そのままにしていたのだ。写真越しの健が、無邪気に結衣に笑いかける。
―あの頃は、楽しかったな……。
第11話の続きはこちら
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