“ゆとり”のトリセツ Vol.8

“ゆとり”のトリセツ:価値観の押し付け、ヤメテ下さい。仕事はフェアに評価して欲しい、ゆとりの主張

バブル崩壊後の低迷する日本を生きてきた“ゆとり世代”。

外資系コンサルティングファームに勤める瑞希(26歳)も、まさに典型的な“ゆとり”。

高学歴、高収入、容姿端麗。誰もが羨むハイスペにも関わらず、その実態は信じられないほど地味だ。

趣味はNetflix、たまに港区おじさん・水野と出かけるのは庶民的な餃子屋...。

ところが水野に半ば巻き込まれるような形で、プロボノ活動に参加することになった瑞希。クライアント先の熱き起業家・小原から言われた言葉に反発を覚える。

休日返上でやってきた田舎町で終バスを逃すという致命的ミスを犯すが、水野が迎えに来てくれることになり…


「ひゃっ!シートベルトが勝手に締まった!!」

素っ頓狂な声が車内に響き、水野は苦笑いする。

「初めて?結構どの車にも搭載されてる機能だと思うけど」

「初めてです。タクシー以外で車に乗ること、ほとんど無いので」

「ドライブデートとかしたこと無いの?」

からかうように尋ねる水野に瑞希はむっとする。まるで自分がモテない可哀そうな女みたいではないか。

「無くは無いですけど…そもそも私くらいの世代の人って、車買わないですから!都内だと維持費だけでも馬鹿にならないし、電車の方がずっと便利です。

月に何回乗るかも分からない車に何百万もかけるなんて、ムダとしか思えません」

何百万どころかもう一ケタは軽くかかっている愛車を“ムダ”の一言で片付けられてしまった水野は軽く落ち込むが、話を本題に戻した。

「…で、はるばる来た甲斐はあった?」

「はい!理事会前に時間が作れなかったのが残念です…やっぱり現場の人とはもう少し先に話しておくべきでした。あと通われているお子さんの保護者の方にもお話伺えたのが良かったですね」

「そっか。でも驚いたよ、上野さんがまさか休日返上でこんなところまで来るなんてね。

まさか熱い男・小原の言葉に心動かされたとか?」

瑞希は水野の言葉を聞こえないフリで無視し、シートベルトの具合を確かめるなどして誤魔化した。

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