アモーレの反乱 Vol.14

アモーレの反乱: 離婚届を出した妻へ、復縁したい夫が送ったLINEが届かなかったワケ

港区在住。遊びつくした男が、40歳で結婚を決意。

妻には、15歳年下で、世間知らずな箱入り娘を選んだ。

なにも知らない彼女を「一流の女性」に育てたい。そんな願望もあった。

誰もが羨むリッチで幸せな結婚生活を送り、夫婦関係もうまくいっていたはず…だったのに。

これは港区で実際に起こった、「立場逆転離婚」の物語。

15歳年下の妻・利奈(りな)に突然離婚を切り出された夫・昌宏(まさひろ)。2人は別居したが、最初で最後の話合いで胸に秘めていたお互いの本心を知った。しかし、お互いの望む未来が違ってしまったことに妻が気が付き、離婚届けが出されてしまう。しかし諦めきれない夫が、やり直したいとLINEを送ったが…。


「昌さんがホームパーティーを企画してくれるなんて、超久しぶりじゃないっすか?」

「俺は企画してない。お前がことを大きくしたんだろうが。」

笑いながら答えて、僕は音楽と笑い声の混じるリビングを見渡した。

― 家がこんなに賑やかなのは、いつ振りだろう。

“昌さんの自宅で飲みたい”と、後輩に休みを聞かれたので、僕が承諾して日程を出すと後輩は言った。

「人も料理も手配しますんで、昌さんは自慢のワインセラーから酒だけ提供してください。」

言われるがままに約束の日を迎え、インターフォンが鳴ったのだが、ドアを開けて驚いた。

馴染みの鮨職人がマグロを持って現れ、星付きイタリアンからのケータリングが届いた。仲間たちがそれぞれ女の子を連れてきたので、グラスの数が足りなくなりコンシェルジュに手配してもらった。

どうやら、女の子たちのドレスコードは「サンタクロース」だったらしく、それぞれが露出度高めな赤や白の服で、音に合わせて体を揺らしている。

DJがアヴィーチーに曲を変えると歓声が大きくなり、「カンパーイ」とグラスがぶつかる音が響いた。

コンシェルジュには状況を伝えたものの大丈夫かな、と心配になりながら、有難くもあった。

―バチェラパーティならぬ、離婚パーティってとこか。慰めてようとしてくれてるんだろうな。

たぶん、この会のきっかけは、後輩が利奈のインスタアカウントを発見したこと。

アカウント名が旧姓だったことから、勘のいい後輩が何かを察した様子だったので、ごまかすのも面倒くさくなり、離婚届けを出されたことを説明した。その数日後に飲み会をしたい、と言われたのだ。

―気が紛れる。利奈からの返信もないしな。

「昌さーん!このシャンパン開けていいっすか?」

危うく感傷に浸りそうになった所を、後輩の能天気な声に救われる。

ワインセラーから、とっておきのシャンパン・ジャックセロスを取り出しているが、もう頷くしかない。ちゃんと味わって飲めよ!と叫んだが、音楽と歓声にかき消されたようで、後輩が、え?と口パクで聞き返してくる。

もう1度叫ぼうとした瞬間、インターフォンが鳴った。後輩に指でOKという合図を出すと、楽しげに踊るサンタ達をかき分けながらモニターの前まで行き、通話ボタンを押した。

「お届けものです。」

まだ何か届くのか?

半ば呆れながら開錠すると、背後でポンっという音が響いた。レアなシャンパンが開きましたー、というハイテンションな後輩の声にまた歓声が上がり、僕も笑った。

届け物がなんなのか、知る由もなく…。

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