LESS~プラトニックな恋人~ Vol.6

LESS〜プラトニックな恋人〜:結婚生活を続けるのが地獄に思えた。34歳女の離婚理由

今、東京の男女が密かに抱えている悩みがある。

恋人や夫婦間での、肉体関係の喪失だ。

この傾向は、未婚の男女においても例外ではない。

2017年冬、付き合って5年になる相思相愛の彼・健太からプロポーズされた美和子は涙を流す。

ふたりの5年間に、何があったのか?

実は、同棲1年が経つ頃から、ふたりは不完全燃焼の夜の夜を境に“プラトニックな恋人”となっていた。美和子は思いをぶつけるが、レス問題は一向に解決しない。

30歳になった美和子は、学生時代の友人・茜に悩みを相談。御曹司・瀬尾を紹介され、いよいよ健太との別れを考え始めた美和子だったが…?


時は確実に過ぎて


「美和子、今夜空いてる?」

締め切り間近のプレスリリースを纏めていたら、背後から懐かしい声がした。

「百合先輩!なんだか、久しぶりですね」

同じPRチームだった百合先輩は、この年の春、商品開発部に異動になった。

社交的で男女問わずすぐに打ち解けられる彼女に、PRは天職に見えたけれど、商品開発に携わるのが入社当時からの夢で、密かにずっと手を挙げていたらしい。

振り返った彼女の顔に、いつもと違う神妙な気配を感じた私は、姿勢を正し百合先輩に向き直る。

「…大丈夫ですよ。これ、19時までには終わらせますからその後で」

頷いて見せる私に、百合先輩は「ありがとう」と口を動かしてその場を去った。

プリーツスカートを揺らして歩く百合先輩のシルエットが、以前より小さくなった気がして、私は不意に心細くなる。

時は、非情に過ぎていく。

百合先輩に連れられ参加した食事会で健太と出会ったあの夏から、もう3年以上が経つ。20代だった私ももうすぐ、31歳になろうとしていた。

【LESS~プラトニックな恋人~】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo