本当に使える絶品鮨 Vol.8

10日寝かせた大トロがたまらない!旨味たっぷりの熟成鮨だ!

おまかせ15貫(1万円・消費税別)。熟成寿司ならではの、さながら旨み爆弾といった味わいに、しばし言葉を失う

銀座で熟成寿司!なのに1万円!今すぐ予約したくなる『鮨處 やまだ』

銀座グルメ界で盛り上がりを見せているコリドー街。ビルの3Fの細い通路を進んだ先にある、カウンターがたった8席の知る人ぞ知る店が『鮨處 やまだ』だ。

店主・山田裕介氏が握る絶品の熟成寿司の握りコースが、なんとひとり1万円なのだから驚きだ。ここなら銀座で寿司デビューも怖くない!

艶やかな飴色状に変身したヅケ。いつまでも味わっていたいと思わせる後引く旨みだ

たとえば、この艶めかしく輝くマグロのヅケなら、丁寧に下処理してから冷蔵庫内で14日間も寝かせることで、フレッシュなネタにはない、芳醇な旨みと甘みを引き出している。

小肌や鯵も「うちの自慢は光り物」と山田氏自らが語るように、その熟成の技にかかれば、臭みもなく上品でふくよかな味わいに。口全体に旨みが広がり、余韻が心地よく伸びていく。光り物が苦手な人こそ食べるべきと断言したい。

ふわりと柔らかい穴子は、崩れないよう、山田氏から直接手渡しされる。見るからに繊細な柔肌にうっとり

「この価格帯なら、ほかには負けない」。ほれぼれするような潔さ。

こちらのメニューは「おまかせの15貫1万円(税別)」のみ。美味しい寿司は高い。そんな我々の認識を心地よく、しかしばっさりと裏切ってくれる山田氏。「寿司は経済的に豊かな人たちだけが食べるものじゃない。おまかせで1万円ちょっとなら、毎日は無理でもハレの日に手が届く値段でしょう」と語る。

その値段では信じられないほどネタは極上だ。たとえばマグロの赤身なら、“天身”と呼ばれる背の一番上の部分のみ使用し、あとは破棄してしまうという潔さ。

「金額的にはギリギリですよ」と笑いながらも、「1万円で食べられる店の中では、絶対にほかには負けないはず」と自信を見せる。

大将との会話も楽しく、客の状況を見て絶妙な距離感を保ってくれる。怖がらずOKなカウンター寿司だ。

今や熟成寿司ですっかり有名になったこの店だが、山田氏曰く「もうひとつの看板ネタは、実は貝」。熟成とは真逆の、新鮮さが命となるネタも必食の美味しさだ。

「うちの倍くらいする高級店と変わらないクオリティだと思います。たとえばトリ貝なんて、ほかじゃ一貫1,500円は取られるんじゃないかな」。

この味でこの価格…、予約が取れない人気店だが、遅くまで開いているのもありがたいポイント。夜9時すぎの2回転目なら、当日の飛び込みで入れることも多いと、こっそり教えておこう。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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