2019.08.28
本当に使える絶品鮨 Vol.22
まぐろの赤身に中トロ、大トロ、炙り、漬けまでたっぷりとまぐろを使った巻物に、どーんとうにといくらをのせた「らんまる巻き」が味わえるのが今回紹介する『らんまる』だ。
訪れる人全てのお目当てとなっている「らんまる巻き」の美味しさと共に、同店の魅力を動画でたっぷりお伝えしよう。
既に予約殺到中!『らんまる』の魅力に迫る
目黒の超人気寿司店『りんだ』の姉妹店として開業した『らんまる』。
元は、『りんだ』の大将・河野氏の出身地である宇和島のうどんをメインに寿司もつまめる場所として開業したが、2018年10月、本格的に寿司店としての営業をスタート。
今や、予約殺到中の人気店となった『らんまる』の魅力をたっぷりとお伝えしていこう。
大将を任されたのはなんと25歳の若手職人!
『らんまる』の大将を任されたのは、島津千周氏。彼の年齢はなんと25歳。おそらく都内の寿司店の大将で最年少ではないだろうか。
『りんだ』の大将・河野氏は、「若い職人にも活躍できる場を」という想いから島津氏を抜擢。
そんな河野氏の想いに応えるように、島津氏は『りんだ』スピリッツを守りつつ、自身が培ってきた経験と知識をフル動員し、『らんまる』でしか味わえない寿司を提供しているのだ。
この日オーダーしたのは、つまみと握りが交互に供される「らんまるおまかせ」。
ペコペコのお腹をまずは握りで満たして貰いたいと最初に供されるのは「のどぐろ」。
皮目をサッと炙ったのどぐろは、口の中の温度でスッと脂が溶けていき、シャリと一瞬で一体となっていく。
この「のどぐろ」を味わった誰もが「来て良かった!」感じるはずだ。
コースはつまみ7品ほどと、握り15貫ほどが交互に供されるスタイル。
時期によって内容や、品数に変更はあるが、その時期ならではの旬のネタや食材を堪能できる構成になっている。
この日のつまみとして用意いただいたのは「千葉県大原産あわびの塩蒸し」と「北海道産毛ガニ 土佐酢のジュレ」の2品。
お酒との相性もよく、お酒のペースも自然とあがっていく。
際立つのは強烈な印象を与えるシャリの美味しさ
『らんまる』の寿司を味わって、最初に感じるのがシャリの美味しさ。
口の中でネタと一体となっていく感覚と、食べ終わった後わずかに残る米粒が強烈な印象を与えてくれる。
使用している米は新潟県産コシヒカリ。粘度が高く、水分量が多いコシヒカリは、扱いが非常に難しい。
そんな米を炊きあげるのが羽釜。一気に圧力をかけて炊くことで、コシヒカリの水分を米粒の内側に閉じ込めていく。
そうすることで、食べた時に米一粒一粒の存在感をしっかりと感じられる、ふわりとした食感の米が炊きあがるのだ。
そして、コシヒカリのもつ甘みを活かし、砂糖は少し、米酢と赤酢をブレンドしてシャリを作り上げている。
お客様の来店時間に合わせて米を炊きあげ、シャリの温度に合わせて、供するネタの順序も計算し尽くし、頃合いを見計らったかのような絶妙なタイミングでつまみがポンと供される。
初訪問の緊張が島津氏の軽妙なトークで緩み始める頃には、すっかり『らんまる』の虜になっているだろう。
それぞれのネタの良さを最大限に引き出した一貫一貫の完成度の高さ、そしてコース全体のバランスと、言うことなしの構成である。
コースが終盤にさしかかると「うに」が供される。通称「うにドック」と呼ばれており、大将から手渡しで供される「うにの手巻き」が名物のひとつだ。
そのままパクリとひと口で頬張れば、うにの甘みと、海苔の風味、そして絶品のシャリの一体感が堪らず、思わず「もう一貫」と叫びたくなる美味しさ!
この名物「らんまる巻き」を食べずして帰れない!
「うにの手巻き」の後は、「穴子」、「お椀」と続きコースが終了。
コースだけでも20品以上が供されるという大満足の「おまかせ」だが、ほどんどの人が最後に追加オーダーする名物があるという。 その名も「らんまる巻き」だ。
「ちょっとマグロ入れ過ぎちゃいました」と笑いながら島津氏が供する「らんまる巻き」のビジュアルは、入れすぎなんてレベルを越えている。
注文したならば、ぜひ大将が勧める通り、一巻をひと口で一気に食べて欲しい。
口いっぱいに頬張ると“旨み”が直接脳天を刺激しているかのような口福感が訪れる。
「口いっぱいで美味しさを味わう、この感覚が堪らなく好き」と語る大将・島津氏。
この感覚を多くの人に味わって欲しいという想いから、この贅の限りを尽くした「らんまる巻きスペシャル」が完成したのだ。
大将・島津氏の握る寿司は、シャリの美味しさを楽しんで欲しいという想いから、“男前”サイズなのも特徴のひとつ。
大きなシャリを口いっぱいに頬張る喜びが堪らなく、また来たいと思わせるのだ。
そして、しっかりと隅々まで仕事が施されているからこそ、この無骨さがいいアクセントになっているのだろう。
お客の食べ方を見つつ、シャリの量を調整してくれるなどの心遣い、軽妙なトークで客席を盛り上げる話術、板場に立つ彼は、25歳とは到底思えない。
「らんまる巻き」や「うにドッグ」など、迫力ある名物で楽しませてくれる『らんまる』。
一度ならず、二度、三度と訪れたくなる名店だ。
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