2017.10.31
女ともだち Vol.12女はいつしか、3つのカテゴリーに分類されてゆく。
「独身」か「妻」か、はたまた「ママ」か。
結婚・出産でライフスタイルが急変する女の人生。恋愛から結婚、そして子育て。それぞれのカテゴリーで、興味の対象も話題もがらりと変わってしまう。
違うカテゴリーとなった女ともだちとは、もはや疎遠になっていくしかないのだろうか?
「女ともだち」一挙に全話おさらい!
第1話:近況報告すらままならぬ。30代女の会話は“地雷”と“禁句”だらけ
ーそう、私たちにもこんな時代があった。
“私たち”というのは、大学時代からの仲良し3人組、沙耶とあゆみ、そして理香のことである。
少し鼻にかかった高い声で話すボブヘアの彼女は、昔のあゆみにそっくりだ。抑揚の感じや間の取り方まで本当によく似ていて、タイムスリップしたような錯覚に襲われる。
まだ全員が同じラインに立ち、ひたすら恋に悩んでいたあの頃。
「地雷」も「禁句」も存在しなかった時代。
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第2話:独身女の敵!結婚が決まった途端、上から目線で語り出す女
「報告があるの」
沙耶と理香の間に流れた、歪な空気。そこに割り込むようにして、あゆみが弾む声を出した。
その含んだ言い方になんとも言えぬ予感がして、沙耶の心はざわつく。
「え、なに何?!」
動揺を悟られまいと意識して明るく発した声は、沙耶の耳に別人のような声となって届く。
あゆみは、そんな沙耶にちらりと目をやり、理香に向き直る。そして、予想通りの言葉を続けるのだった。
「結婚が決まったの」
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第3話:価値観を押し付けないで!ママ>妻>独身ヒエラルキーに感じる違和感
聞いて欲しい話というのは、この愚痴だったのだろう。
溜まった膿を絞り出すように、あゆみは酔いに任せて鬱憤を撒き散らすのだった。
「最後には“大丈夫、すぐ授かるわよ”なんて上から言われて。ほんと、余計なお世話」
吐き捨てるように言ったあゆみの顔を、沙耶はまじまじと見つめる。
−この間、あなたも私に同じことしてましたけど?
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第4話:いつまでも敵わない彼女が羨ましい。そして同時に、妬ましい
−働く必要のない理香に、私の気持ちなんてわからない。
「うちの息子ももう3歳でしょう。最近はお受験の塾に通わせているんだけど...」
嫌が応にも耳に流れてくる理香の話が、どういう脈略で息子のお受験の話に変わったのか、あゆみにはもはやわからない。
しかし、これだけはわかる。あゆみが理香とふたりで会うことは、もうないだろう。
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第5話:内助の功こそ、賢い選択?「妻会」で勃発する、専業主婦VS兼業主婦
「菜々子も遥も頭が良くて、稼ぐ力もあるのに、専業主婦で家にいるだけだなんて勿体無いわね」
あゆみの言葉に、ふたりの専業主婦は顔を見合わせている。
しかし暫しの沈黙は、ふたりがあゆみの言葉に納得したからでは、決してなかった。
それは、菜々子があゆみに向けた冷ややかな目が物語っている。
「...そうかしら?」
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第6話:「もうすっかりママだね」は褒め言葉かそれとも、ただの嫌味?
息子のためにお弁当を作ること、そしてその完成写真をInstagramにアップすることが、ここ最近の理香の日課だ。
近い年齢の子どもがいるママたちの参考になれば...そんな思いで、理香がこだわっている食材選びのポイントや時短ノウハウなどを丁寧に書いて投稿しているのである。
息子のために “良い母親”でいること、それこそが理香の仕事。
唯一無二の存在である母親という役割に、プライドも、やりがいだってある。
しかし、四六時中子どもと向き合い母親として生きる日々の中で、時々考えてしまうことがある。
「母」ではない、 「理香」としての人生は、もう終わってしまったのだろうか、と。
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第7話:結婚丸3年、夫とのLINEは業務連絡のみ。そんな女に訪れた恍惚の瞬間
夫とディナーデートに出かけることなんて、ここ数年は結婚記念日くらいだ。そもそも、家で夕食を一緒に食べることすらままならないのだから。
「ええ。“ママ”ではなくて“女”を楽しむ日というか。ご主人に、綺麗だなって思わせるコーディネートを特集したいんです」
−“ママ”ではなくて“女”を楽しむ。
ライターさんの言葉が、妙に耳に残った。
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第8話:女の人生は、突然狂う。バリキャリ独身女を襲った計算外の出来事
最近の20代女性の中には、就職を婚活だと考えているような人もいると聞く。安定した、条件の良い男性と結婚するためだけに、大手企業への就職を希望するのだとか。
いずれは家庭に入るにせよ、全身全霊で仕事する楽しみを知らずに終わるなんてもったいない、と沙耶は思う。
社会で評価される喜びは、男に愛される悦びに優るとも劣らぬ快感を与えてくれるから。
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第9話:まさかの妊娠発覚!幸せの絶頂で、女は脳内お花畑になる
「沙耶ちゃん、僕と結婚してください」
リビングをぐるりと一周して戻ってきた隼人が、沙耶の手をとり、まっすぐな目を向けた。
目の前にいる彼も、繋いだ手も、ドラマのようなセリフも。全て現実なのに、どこか他人事のようだ。夢見心地のまま、沙耶も隼人の手を強く握った。
「うん...はい、もちろん。よろしくお願いします」
−私、幸せだわ...。
自然と、手がお腹を撫でていた。私と隼人の、新しい命がここにある。
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第10話:子育ては仕事の100倍大変?自分の価値観を押し付ける、女ともだちへの違和感
−もう、後戻りはできない。
会議室を出て、沙耶は深く大きなため息をついた。
決意を固めた沙耶は、つい今しがた、結婚の報告と同時に現在妊娠中であることを部長に告げてきたのだ。
「そうか…わかった。おめでとう」
部長の口は形だけ「おめでとう」と動いたが、その表情に祝福の色は見て取れなかった。
第10話の続きはこちら
第11話:女ともだちが弱みを晒してくるのは「同類認定」された証。幸せな女に、離婚相談はしない
一目で、何か良からぬことが起きたのだろうとわかる。
「どうしたの?何か問題でも起きた…?」
彼女の神経を刺激しないよう、できうる限りの穏やかな声で沙耶がそう尋ねると、あゆみは愛らしい顔を歪め、そして想像もしていなかった言葉を口にするのだった。
「実は私、離婚を考えてるの」
第11話の続きはこちら
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