恋愛中毒 Vol.10

恋愛中毒:人妻を奪った独身男が負うリスク。狂おしく不安定な恋を貫く男女のゆくえ

人妻が恋するのは、罪なのか。

裕福で安定した生活を手に入れ、良き夫に恵まれ、幸せな妻であるはずだった菜月。

結婚後に出会った彼は、運命の男か、それとも...?

人妻の菜月は、独身の達也と出会い恋に堕ちてしまう。それを知った達也の恋人・あゆみ菜月の職場に乗り込み修羅場と化し、さらに夫にまで浮気を知られてしまうが、二人はめげずに愛を誓った


「菜月さんと離れるなんて、絶対に嫌だ」

バルコニーを照らす日差しが少しずつ傾いていく空を眺めながら、菜月の胸は、彼の声に合わせて静かに高鳴る。

「一緒にいられる方法を考えようよ」

達也が強く言ったとき、これまでのどん底のような痛みとはうってかわり、甘い感情が全身に広がった。

悲観的だった菜月とは対照的に、彼はずっと情熱的で、勇敢だったのだ。

「本当に?私、達也くんと一緒にいられるの?」

彼の提案は、とても簡単なことのようにも、ひどく難しいことのようにも思える。

これほど他人を巻き込み、今まで積み上げた生活を失うリスクを背負ってまでも、この狂おしく不安定な恋を貫こうというのだろうか。

これ以上の泥沼に足を踏み入れる覚悟が、本当にあるのだろうか。

しかし、気づけば菜月は、夢中で身支度を整えていた。

この数日、ろくに手入れもしていなかった顔に丁寧に化粧を施し、赤味の強い口紅をひく。家を出るときには、強めのコロンを全身にふりかけた。

もう、どうなってもいい。

達也と一緒にいられるなら、どんな困難も、きっと乗り越えられる。

菜月は抗えない強い衝動に駆られ、達也のもとに向かった。

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