2020.06.21
東京バディ Vol.1夫婦や恋人でもなく、家族のような血のつながりもない。それでも人が生きていく中で求めるもの—。それは「友情」だ。
「たった一人の親友(バディ)がいれば、他には友達なんていらない」。
そう豪語する男がいた。
互いを信じ合い、揺るぐことのない二人の友情。だが、彼らが好きになったのは、同じ女性だった…。
東京で生きていくのに、たくさんの友達なんて必要ない。
たったひとりの親友さえいれば。
僕は幸運だ。
もう、そんな男と出会ったのだから。
2020年6月。
ステイホームの期間を乗り越え、僕が最初にゴハンを食べに出かけたのは、やっぱりアイツだった。
「おお~っ、小暮!元気だったかーぁ!?」
麻布十番のいつものカフェバー、その店先。
恒例の待ち合わせ場所へ先に到着していた片桐は、僕を見つけると、こちらが手を振るより先に声を張り上げていた。
「しょっちゅうオンラインで飲んでたから、元気だって分かってるだろ?」
僕はいつものように冷静に答えた。
「つまんねえ返しをすんな、小暮!」
「真面目に答えただけだよ」
「ただの挨拶だって、小暮!」
マスクをしていても笑っているのが分かる。それが片桐のいいところだ。
「よっしゃ、サクッと飲んでサクッと帰ろうぜ、小暮!」
店に入って着席しても、同じ調子が続く。
「というわけで小暮は、なに食べる?なに飲む?」
およそ2カ月ぶりに会えたのが嬉しいのだろう。片桐はやたらと僕の名前を呼ぶ。
僕の名前は、小暮喜八。
珍しい名前だから、仕事でもプライベートでも「キハチさん」や「キハチくん」と呼ばれることがほとんどだ。
しかし片桐だけは頑なに、僕のことを苗字で呼ぶ。
そして僕も、誰もが「コースケ」と呼んでいる片桐のことを、出会ってから10年ずっと苗字で呼んでいる。
互いに話し合った末に決まったルールじゃない。二人とも、いまさら呼び名を変更するのが恥ずかしいだけ。
だから出会った当時と変わらず「おい小暮」「なんだよ片桐」と呼び合っているのだ。
そんな僕たちが仲良くなったキッカケは、実は、ある美しい女の存在だった。
たしかに価値観というか人生観というか、それが似てると長い付き合いになりやすいよね。多分これからも付き合い続くよ。
お互いに良い友達を持ったんじゃないかな?
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