1膳目 海鮮丼として素材本来の味わいを堪能
まずはシンプルに、そのまま海鮮丼としていただこう。
鮪の赤身やいくら、数の子など、寿司桶の中には実に12種類以上の魚介がひしめき合う。ついつい中央に君臨するうにに、手をつけてしまいそうになるが、ここは我慢が大切。うには次なる味の変化の大事なキーパーソンとなるので、ひとまず手を出さずにそっとしておくこと。
お茶碗によそったら一口、新鮮な赤身の旨みや数の子のプチプチとした食感が、口の中で1つに合わさり、思わず踊りだしたくなるような陽気な味のハーモニーを奏でてくれる。時季によって一番美味しいネタを築地場内から仕入れているので、ひつまぶしに使用される魚介は産地や種類を特定せず、日によってもメンバーが変わる。訪れるたび新鮮な味との出会いが楽しめるのも魅力の1つだ。
2膳目 濃厚うに飯に舌鼓を打つ。
半分ほどいただいたところで、ついにひつまぶしが新たな姿へと変貌を遂げる時。店員さんの華麗なしゃもじさばきに見とれているうちに、先ほど大事にとっておいたうにとご飯が混ざり合い、あれよあれよと黄金色に輝くうに飯へと大変身するのだ!
たっぷりのうにをまとったご飯は、ほおばった瞬間、うに特有の濃厚な甘みと醤油の風味が口の中にとろりととけ出してくる。先ほどまでのシンプルな海鮮丼とは打って変わって、複雑で何層にも味が折り重なった奥深い美味しさだ。
3膳目 〆は熱々の出汁をかけて
フィナーレを飾るのは、ひつまぶしの〆として定番であるお茶漬けである。昆布でとった熱々の出汁を上から注ぐととたんに立ちのぼる温かな湯気とふわりと優しい香りに、思わず心がほっこりと和むだろう。
出汁の中にはうに飯の濃厚な旨味エキスが染み出しており、お茶漬けと呼ぶには贅沢過ぎる1杯だ。海鮮丼やうに飯と、結構な量をいただいた後だというのに、あまりの美味しさにさらさら喉を通り、いつの間にやらお茶碗が空になっているから不思議だ。
この他にも、器からうにがこぼれるほど山盛り盛られた「国産こぼれうに丼」(8,800円)や、定番の海鮮丼も種類豊富な品揃え。
これらの料理と「元祖 海鮮ひつまぶし」を一緒に注文し、数人でシェアしていただくのもおすすめだ。
この海鮮ひつまぶしが繰り広げるめくるめく味の3変化を、ぜひ一度自分の舌で体感してみてほしい。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
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