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みりんと俺 Vol.9

みりんと俺 最終回:「人は見た目が9割」の男を変えた、“みりん系女子”の魅力とは

ようやく付き合えたと思った彼女が、「もうついていけない」と言い、俺の部屋を出て行った。

そんな彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。しかも、目についたのは、自分で買った覚えのない、何度か遊んだだけの女が残していった「みりん」。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見るとあの女を思い出してムカムカしてきたが、所在無げにしているみりんを見ると何だかやる気がなくなった。

商社マン・マサシは、憧れの女性・早紀に離婚協議中だという衝撃の事実を打ち明けられる。離婚成立を待っていたが、その恋は賞味期限切れだった。そんな時、本命にはならないと思っていた典子の料理の励まされたマサシは…?


「人は見た目が9割」と言い切る男の本心とは?


「元気出してね。」

メモとともに置かれていた、典子が作ったフレンチトースト。その懐かしい甘さにハマって、自分でも何回か作った。あの日以来、結構な頻度で典子に会っている。


―人は見た目が9割。


前に読んだ本のタイトルをふと思い出す。

俺は、顔が可愛い女の......


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みりんと俺

半同棲していた彼女が、「他に好きな人ができたの」と言い、俺の部屋を出て行った。

彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。料理をしない俺には関係のないものだと思ってた。塩や胡椒は食べる時に使うのでわかる。ただ「みりん」だけが見覚えがなかった。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見て、料理ができるようになると、何かが変わるかもしれない。そう思ったんだ。

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