みりんと俺 Vol.7

賞味期限切れ?煮込みすぎた愛とモツ煮が招いた、非情な結末。

ようやく付き合えたと思った彼女が、「もうついていけない」と言い、俺の部屋を出て行った。

そんな彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。しかも、目についたのは、自分で買った覚えのない、何度か遊んだだけの女が残していった「みりん」。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見るとあの女を思い出してムカムカしてきたが、所在無げにしているみりんを見ると何だかやる気がなくなった。

あらぬ浮気を疑われ、彼女に振られた商社マン・マサシ。傷心の中、かつて憧れていた早紀と再会し、一夜を共にする。その後、2人でのクリスマスパーティーを楽しむが、衝撃の事実を打ち明けられ…?


彼女の離婚が成立するまで待つ男の決意


「私、離婚協議中なの。夫とは別居中で。」

その衝撃告白から、約1年が経った。

女性には苦労しない質で、作ろうと思えばいつでも“彼女”は作れると思う。でも俺は、どうしても早紀さんが忘れられない。

あのホームパーティーの後数回会ったが、連絡は途絶えてしまった。

一生を共にすると一度は誓った者同士が別れる、離婚。

それは想像を絶するほどの気力を使うと、先輩から聞いたことはある。会っていた時も、彼女の生気はどんどん失われていくようだった。

バイト仲間によると、旦那が浮気していたとか、義理の両親との折り合いが悪かったとか、色んな噂があった。けれど、第三者を介入させるほどなのだから、それなりの理由があるのだろう。

―早紀さんの離婚が成立するまで、待っててもいいかな?

この言葉に、彼女は「うん」とも「いいえ」とも言わず、曖昧に笑ってやり過ごしていた。

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