D3279627c00d2e0d06e7cb9183e230
みりんと俺 Vol.5

みりんと俺:憧れの女性と迎えた朝。傷心の男が作った朝ご飯とは?

ようやく付き合えたと思った彼女が、「もうついていけない」と言い、俺の部屋を出て行った。

そんな彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。しかも、目についたのは、自分で買った覚えのない、何度か遊んだだけの女が残していった「みりん」。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見るとあの女を思い出して、ムカムカしてきた。捨てようかとも思ったが、所在無げにしているみりんを見ると何だかやる気がなくなった。

浮気を疑われて大好きだったCAの彼女、由梨に振られた商社マン・マサシ。傷心のあまりむしゃくしゃし出して…?


あれ?LINEブロックされてるぞ?


「もう顔も見たくない」

やっと口説き落とせた24歳のCA、由梨からこう捨て台詞を吐かれ、1か月ほどが経った。

あのあと、何度もLINEや電話をしたが、取りつく島もない。やっと返って来たと思ったら、メッセージはこうだった。

「人としてあり得ない。もう連絡しないで。」 ......


この記事へのコメント

Pencil solidコメントする

コメントはまだありません。

みりんと俺

半同棲していた彼女が、「他に好きな人ができたの」と言い、俺の部屋を出て行った。

彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。料理をしない俺には関係のないものだと思ってた。塩や胡椒は食べる時に使うのでわかる。ただ「みりん」だけが見覚えがなかった。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見て、料理ができるようになると、何かが変わるかもしれない。そう思ったんだ。

この連載の記事一覧