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みりんと俺 Vol.8

本命ではない女と迎えてしまった朝。疲れた男の心と体を、あま~く癒す朝食とは?

ようやく付き合えたと思った彼女が、「もうついていけない」と言い、俺の部屋を出て行った。

そんな彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。しかも、目についたのは、自分で買った覚えのない、何度か遊んだだけの女が残していった「みりん」。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見るとあの女を思い出してムカムカしてきたが、所在無げにしているみりんを見ると何だかやる気がなくなった。

商社マン・マサシは、憧れの女性・早紀に離婚協議中だという衝撃の事実を打ち明けられる。もつ煮込みを作って彼女の離婚成立を待っていたが、その恋は賞味期限切れだったようで…?


朝も昼も夜も、ただあの人からの連絡を待つ日々


もつ煮込みともに送った「ずっと待っています」というメッセージ。既読にはなったものの、一向に返ってくる気配はない。朝起きてから、夜寝るまで、ずっとiPhoneの表示を気にする日々が続く。

まだ、離婚協議が成立していないのだろうか。それとも、もっと他の理由があるのだろうか。考えても......


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みりんと俺

半同棲していた彼女が、「他に好きな人ができたの」と言い、俺の部屋を出て行った。

彼女の気配が98%消えたガランとした部屋で、気を紛らわすために開けた、キッチンの戸棚。

そこにあったのは調味料。料理をしない俺には関係のないものだと思ってた。塩や胡椒は食べる時に使うのでわかる。ただ「みりん」だけが見覚えがなかった。

部屋に残された、みりんと俺。

みりんを見て、料理ができるようになると、何かが変わるかもしれない。そう思ったんだ。

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