鎌倉カレンダー Vol.11

鎌倉カレンダー最終回:誠実さと無責任の間で揺れ苦しむ男。最後に選ぶのは...?

東京生まれ、東京育ち。

学生時代から就職まで一通り都会で過ごしてきた透は、外資系証券会社に勤め高い年収を稼ぎ、何不自由しないエリート生活を送る。

都会で感じる焦燥感から逃げるように週末は鎌倉の海に通うようになり、仲間たちに優越感を持つようになった透。夜の街で出会った美帆とのズルズルとした関係では女心を理解できず結局最悪な形で幕を閉じ、高嶺の花・雅子との付き合いも上手く行かなかった。

30歳を目前に出会った同い年の千紗とは順調な関係を築き、東京と鎌倉を行き来するデュアルライフをスタートすることに。満ち足りた日々を送る透であったが、千紗が「結婚」という言葉を発したことで、二人は距離を置くことになってしまった。千紗が語る、最終話の行方は...?

鎌倉カレンダー Vol.9:結婚に踏み切れない男は、ただの不誠実?無責任?それとも......


二人を結び付けたのは、東京なんかに染まりたくはないという「頑固さ」だった


透と私は、最初から似たところがとても多かったと思います。

東京生まれで同じように外資系企業に勤めていて、でも何となく東京の俗っぽさみたいなものには染まりたくない。理想の仕事やライフスタイルを手に入れたからと言って、必要以上に派手に振る舞う上司や同僚には上手く心を開けないし、そこに馴染みたくない。

私たちを結び付けたのは、たぶん同じような種類の頑固さでした。

私は今までそんな思いを口には出さない......いえ、出せないことが多かった。ただでさえ女性が少ない職場で、目立つ振る舞いをするのは躊躇われたからです。社内政治においては、時に男性の方が女性よりもずっと神経質で陰険だということは、実体験から学びました。詳しい話はここでは割愛しますが、苦い経験があり、私は二度転職をしています。

また女友達にも、そんな話はなかなか出来ません。仲の良い友人は多くが総合職に務めたものの、アッサリと社内恋愛をして結婚してしまったり、収入のある男性に的を定めて婚活をしていたりと、女は皆歳をとるにつれて、段々と価値観がズレていくようです。

少なくとも、東京のライフスタイルに疑問を持ったり、ましてや反発心を持っている人は、私の周りにはいなかった。

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