鎌倉カレンダー Vol.9

鎌倉カレンダー:結婚に踏み切れない男は、ただの不誠実? 無責任? それとも……

東京生まれ、東京育ち。

学生時代から就職まで一通り都会で過ごしてきた透は、外資系証券会社に勤め高い年収を稼ぎ、何不自由しないエリート生活を送る。

都会で感じる焦燥感から逃げるように週末は鎌倉の海に通うようになり、仲間たちに優越感を持つようになった透。夜の街で出会った美帆とのズルズルとした関係では女心を理解できず結局最悪な形で幕を閉じ、高嶺の花・雅子との付き合いも上手く行かなかった。

30歳を目前に出会った同い年の千紗とは順調な関係を築き、東京と鎌倉を行き来するデュアルライフをスタートすることに。満ち足りた日々を送る透であったが、そこに発生した不穏な気配は、やはり……?

鎌倉カレンダー Vol.8:いったん溶け込めば、特別な場所に。鎌倉ローカリズムの不思議な魅力


このバランスの取れた生活がずっと続けばいい。そう思っていたけれど……?


千紗と一緒に東京と鎌倉を行き来するようになって、もう1年近く経ちます。彼女との日々は本当に充実していました。

僕たちはたぶん性格の相性もすごく良くて、長い時間を過ごしてもストレスを感じることはありません。一緒にいてもお互い好きなことをできるし、生活のリズムが崩れることもない。もちろん、二人でいるからこその楽しみも沢山あります。仕事の疲れも彼女と会えば癒されたし、食事にしたって一人よりもずっと楽しい。

鎌倉に通うことに関しては、最初は千紗が僕に無理に合わせてくれているんじゃないか、と気になることもありましたが、

「私も気分転換ができるからちょうどいい。むしろありがとう。」

と、いつも笑顔を返してくれました。

千紗と一緒に過ごすうちに、東京や仕事に対する卑屈な気持ちも徐々に薄れて行きました。彼女という理解者がいれば僕の心は満たされたし、鎌倉に通うことで生活のバランスが取れた。

僕はすべてにおいて、満足していました。この調和の取れた生活が、ずっと続けばいいと。

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