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クォーターラバー Vol.1

クォーターラバー:四半期で相手の価値がわかる!? レストランで思い知った男のセンス

センスのない男とセンスのある男


「センスのある男性は、何においても素敵だよね」と女子の間でよく会話に出る。服のセンスのことだけではなく、仕事ができる人もセンスがあるし、会話にもセンスが必要だ。

東京である程度知り合いがいて遊んできた30歳にもなると様々な男性と出会ってきている。センスがいい人は雰囲気のあるイケメン枠に入ることができる。その一方で、どんなに外見が良くてもセンスがない男性は、会う度に魅力が減っていく気がするのだ 。

成功する人と成功しない人の差は、能力と才能、そしてセンスだと信じている祥子。

その視点から見ると、太一は節々にセンスが欠けており、結婚して今後成功するのか急に不安になってきた。きっと気にしない女性は相手のセンスなんて気にしないと思う。センスとは何かを一言では説明しづらい。でも祥子にとって、お金では買えないこの価値観が、非常に重要なポイントだった。


痛手のない3ヶ月で大人は恋を判断する


お会計を済まして外に出た。冷たい夜風が吹き、手に持っていたプレゼントを渡そうとした時に自分でも驚くくらい急に言葉が出てきた 。

「ごめん、別れたい。」

もっと好きになれればどんなに幸せなのか、30歳の祥子には痛いほど分かっている。好きになってくれた人と付き合うのが女として最高に幸せなこと、そしてここで太一を手放すのは本当に意味の分からない判断だということも知っている。でも心の声に嘘はつけなかった。

理由は? と聞く太一に何も答えられないまま、小さくごめん、としか言えず下を向く。「俺は祥子のクォーターラバーだったんだね」と切なそうに言う太一に胸が締め付けられた。

3ヶ月なら、失恋の痛手もまだ少なくて済む。これが最小で最良の方法。

太一ならもっと素敵で似合う女性を見つけられるだろう。何とも言えない歯がゆさと申し訳なさを心に抱きつつ、太一と別方向に歩き出した。大人のクォーターラブは甘くて苦くて、そして複雑だ。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。



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クォーターラバー

「3」という数字によって、恋人や夫婦は関係性が動くと言われている。

美人は3日で飽きる、3年目の倦怠期などの言葉が表すように、3には男女の心境を大きく変化させる意味があるのだ。またそれは3ヶ月である“四半期(クォーター)”にも当てはまり、この時期にはなにかが起こり始める。

今回の主人公、祥子30歳・独身は、地元の福岡から東京に出てきて早8年。

出会いの数だけ別れがある東京で、クォーターラブを繰り返しながら、運命の人を探す祥子の恋愛を追いかけていく。

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