SPECIAL TALK Vol.106

~日本における医療の弱みはウェルビーイングの浸透で改善できる~

令和のニューリーダーたちへ


更年期障害は女性特有のものと思われがちだが、男性ホルモン「テストステロン」の減少による男性の更年期障害も存在する。

筋肉量の減少、内臓脂肪の増加、性機能障害といった肉体的な問題だけでなく、認知機能や気分障害など精神面にまで影響が及ぶことも多い。

順天堂大学附属順天堂医院は、日本で初めて男性特有の病気の診察と治療を行う「メンズヘルス外来」を開始した。

その旗振り役は、泌尿器科の専門医である堀江重郎氏だ。

ガンの手術にはじまり、腎移植、外傷後の尿道再建、腹腔鏡手術、内視鏡手術など多くの外科手術を行ってきた堀江氏は、従来の医療が苦手としてきたウェルビーイングの領域までカバーしたいと考えている。

堀江氏にこれまでの歩みとこれからの目標を語ってもらった。

堀江重郎氏 1960年生まれ。東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得し、救急医学、泌尿器科学、腎臓学、分子生物学の研鑽を積む。帝京大学医学部主任教授を経て順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科教授。高精度の泌尿器手術を行う一方、学際的なアプローチを男性の健康医学に導入、日本初のメンズヘルス外来を開設し、男性更年期障害で悩む人たちと向き合う。2016年より一般社団法人日本メンズヘルス医学会理事長。


金丸:本日は順天堂大学教授で泌尿器科医の堀江重郎さんをお招きしました。お忙しいところ、ありがとうございます。

堀江:こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。

金丸:今日の対談の舞台は『銀座 稲葉』です。産地に直接足を運んで選び抜いた食材を、日本料理の伝統技法を用いて、和洋中といった枠にとらわれない料理としていただけるそうです。

堀江:壁に大きく「融通無碍」と書かれていますね。料理も楽しみです。

金丸:さて、堀江さんは泌尿器をご専門にされています。手術やガン治療を多数経験されていますが、外科ということで、やはり手先が器用なのですか?

堀江:いえ、私は器用じゃありませんし、器用さはあまり関係ないように思います。ただ、「絵が下手な人は外科に向かない」といわれていますね。

金丸:ということは、物体の奥行きを捉える力が問われるということですか?

堀江:おっしゃるとおりです。今でも学生に実習でやってもらうのが、手術をしている場面のデッサンです。そして、参考書の図みたいな絵を描く人は内科系を、美的センスがあり、奥行きが表現できる人は外科系を勧めています。

金丸:やっぱり得意不得意はあるんですね。

堀江:臓器は体の中でコンパクトに繋がっています。それらをずらして、いかに空間を作るかが、手術では重要になります。だから外科医には立体的に捉える力、頭の中でイメージする力が必要なんです。

金丸:ところで、泌尿器科はどこからどこまでが担当範囲なのでしょうか?

堀江:腎臓と副腎、膀胱、尿管、前立腺、ペニス、睾丸ですね。女性も対象ですが、男性器を含みますから、患者さんは8割が男性です。

金丸:堀江さんは男性ホルモンに注目して、啓蒙もされています。

堀江:順天堂医院は、日本で初めて「メンズヘルス外来」を立ち上げました。女性の更年期障害はよく知られていますが、男性にも更年期障害があるんです。男性ホルモンの低下によって疾患が引き起こされるので、その診断と治療を行っています。

金丸:堀江さんは専門家として、第一線で活躍されています。今日は堀江さんの生い立ちから、医者を目指した理由や今後の医療に対するお考えまで、じっくりと伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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