SPECIAL TALK Vol.107

~未曽有の事態に直面して生まれた医療の新しいカタチ~

令和のニューリーダーたちへ


新型コロナウイルス感染症によって医療崩壊が現実味を帯びてきた2020年4月、オンライン診療が暫定的に解禁された。

それに先駆けて、すでに動き始めていた医師たちがいる。ファストドクター株式会社の代表取締役で医師でもある菊池 亮氏と、提携する医療機関の医師たちだ。

菊池氏自身の夜間救急医療の現場で覚えた違和感がきっかけとなり、2016年にファストドクターを設立、夜間・休日の相談や救急往診を始めた。

そして起業4年目にコロナ禍という試練に立ち向かい、各地の自治体と連携した活動を通じて、患者だけでなく医療崩壊の危機から社会を救った。

菊池氏のこれまでの歩みを紐解きながら、あるべき医療の姿を解き明かす。

菊池 亮氏 2010年帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部附属病院、関連病院にて整形外科に従事後、2016年にファストドクター株式会社を創業し代表取締役に就任。「生活者の不安と医療者の負担をなくす」をミッションに掲げ、日本全国に対応する医療プラットフォームを提供。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、帝京大学医学部非常勤講師、公益社団法人東京都医師会在宅医療協議会委員、一般社団法人日本在宅救急医学会評議員、一般社団法人日本在宅医療連合学会評議員。Forbes JAPAN 日本の起業家ランキング2023 第1位受賞、経済産業省JHeC2021優秀賞、ICCKYOTO2019優勝、The10th Asia Eldercare Innovation Awards最優秀賞、J.S.A.ソムリエ。


金丸:本日はファストドクター代表の菊池 亮さんをお招きしました。お忙しいなか、ありがとうございます。

菊池:こちらこそありがとうございます。これまで金丸さんが対談された医療界の方々は、大先輩なので光栄です。

金丸:今日の対談の舞台は麻布十番の『エクアトゥール プラス』です。予約が取れない店として知られる『エクアトゥール』ですが、オーナーソムリエと料理長がタイに出店されるそうで、スーシェフの中川 巧さんが引き継がれました。ミシュラン三ツ星で知られる『カンテサンス』での経験も生かされた料理ということで、店名にも「プラス」がついたそうです。

菊池:料理もとても楽しみです。

金丸:さて、菊池さんは医師であると同時に、ファストドクター株式会社を設立した経営者でもあります。まず読者に、ファストドクターについて簡単に教えていただけますか?

菊池:はい。起業したきっかけは、医療のリソースと患者さんのニーズのマッチングがうまくできていないと感じたことです。

金丸:以前から、軽症の人や緊急性の低い人が救急車を呼んでしまうことが問題になっていますね。なかには、救急車をタクシー代わりに使う人もいると聞きます。

菊池:そうですね。救急車だけではなく、医療機関も同じようにミスマッチが起きていました。たとえば、夜間や休日は小規模な病院が閉まっているため、患者さんは大きな病院に集まります。高度な医療を提供できる設備が整った病院に、症状の軽重や緊急性に関係なく大勢の患者さんが集まってしまうと……。

金丸:そこでしか救えない人が救えないかもしれない。

菊池:まさに。そのため、夜間や休日に救急病院に行く前の段階で、救急の相談を受けたり、必要であれば救急往診で診察したりするようなサービスが必要だと考えました。

金丸:そして、コロナ禍において多くの自治体と連携したことで注目されましたね。

菊池:急速に感染が拡大し、医療崩壊の危機に直面するなかで、オンライン診療が解禁されました。スマホのビデオ通話でやり取りしながら症状を伝えてもらい、必要なら薬を処方して自宅に届けることが可能になったんです。

金丸:コロナ禍によって、社会が抱える多くの課題が浮き彫りになったと感じていますが、医療界もまさにそうですよね。これまで国はオンライン診療の解禁になかなか踏み切れなかった。解禁されたことは大きな前進ですが、やっていくうちに見えてくる課題もあるはずです。

菊池:おっしゃるとおりです。課題もニーズもどんどん見つかっています。

金丸:今日は菊池さんが、これまでどのような人生を歩んでこられたのかを伺いながら、日本の医療の行く先について考えたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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