マウンティング。
本来は動物が「相手よりも自分が優位であること」を示そうとする行為のことを言う。
しかし最近、残念ながら人間界にもマウンティングが蔓延っているのだ。
それらを制裁すべく現れたのが、財閥の創業一族で現在はIT関連会社を経営する、一条元(はじめ)。通称・ジェームズだ。
マウンティング・ポリスとも呼ばれる彼が、今日戦う相手とは…?
僕の名は一条元(はじめ)、通称・ジェームズ。日本人の父とドイツ人の母を持つハーフだ。
両親の教育方針で、学生時代をNYで過ごした。大人になって日本に帰国したあとは、代々続く家業のかたわら、学生時代に立ち上げたIT関連会社の経営にも携わっている。
そんな僕が、なぜ“マウンティング・ポリス”と呼ばれるようになったのか?
それには、キッカケとなる出来事があったんだ…。
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朝の7時ちょうど。イタリア製の高級遮光カーテンが自動で開き、大きな窓から、たっぷりの朝日が差し込んできた。
その光があまりにもまぶしくて、僕はベッドから抜け出し、窓から皇居のお堀を見下ろす。
本当は低層マンションが好きだけど、4年前に購入したこのマンションのペントハウスは景色が気に入っていて、なかなか引っ越せずにいる。
…180平米もある部屋は、1人では十分すぎるのだが。
「Alexa、今日のスケジュールは?」
アレクサが予定を読み上げている間にスマホをチェックしていると、1通のLINEが送られてきた。
「こんなに朝早くから、誰だ…?」
この記事へのコメント
本当にその通りですね。
結婚した途端に、偉くなったような態度で独身を見下す人本当に多いから。