元カレ・コレクション Vol.4

「全部、好きになれない。むしろ全部、苦手…」デート中に女が気づいた、彼氏の本性とは

26歳、アラサーの仲間入り。周囲では申し合わせたように突然、第一次結婚ラッシュが訪れはじめる。

しかし当然、その波に乗り切れない者だって多くいるのだ。

結婚するのに早すぎる歳ではないが、言ってもまだ20代。微妙な年齢であるがゆえの「もっとイイ男がいるかも…」という、悪魔の囁きに翻弄される女たち。

主人公・杏里も、なんとしてでも結婚ラッシュに乗りたいと思うものの、なかなか決断ができず、現れる男とはことごとくうまくいかない。

そんな杏里の二人目の「元カレ」とは…?

◆これまでのあらすじ

杏里は、食事会でベンチャー企業勤務の25歳・本田敬一と再会する。元カレ・純と違う部分に惹かれ付き合うことになるが、ある日のデートで、本田の無謀な計画を聞かされて…。


車の中で、杏里はモヤモヤとした気持ちを抱いていた。

本田の発言が、ずっと引っかかっているのだ。彼は、勤めている会社をやめて独立するつもりだと言っていた。

運転席の本田の顔を、チラリと伺う。しかし彼はお構いなしに、鼻歌を歌いながらハンドルを握っていた。

不意に杏里は、ランチの店での出来事を思い出した。彼は店員と揉めているように見えたが、その後逃げるように店を出ていったのだ。

「…そういえば、さっき店員さんと何話してたの?ちょっと揉めてた?」

探るように聞いてみると、少し間があった後に本田がこう言った。

「いや、カードが止まってて使えないとか言われて。結局現金があったから良かったんですけど」

―カードが止まる?

ということは、貯金がゼロに近いということか。杏里は一瞬にして、不信感を覚えた。そうなると、独立のことも聞かずにはいられない。

「そういえば仕事のことは、なんで独立したいって思ったんだっけ?」

「会社に縛られるのは自分に合ってないし、独立した方が絶対稼げると思うんですよね」

本田は強くなった日差しを避けるように車のサンバイザーを下ろし、呑気にそんなセリフを放った。

結婚を視野に入れて付き合う相手のセリフだと思うと、不安しかない。杏里は思わず本音を口にしていた。

「そっか…。なんかフワフワしてるね、本田君って」

途端に本田は、明らかに嫌そうな顔をして黙り込む。それから帰路につくまで、テンションはずっと低いままだった。

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