これが東カレが認めるとっておきの和食店 Vol.18

春のあさり鍋を恵比寿の古き良き店で嗜んでこそ大人です

新たな店が続々とオープンし、若者が行き交う恵比寿だが、実は大通り沿いに古き良き名店がひっそりと存在する。

そんな店の名物と空間を、大人であれば知っておくべきだろう。

長く大切に使われている白木のカウンターが温かなムードを醸す店内。料理と同じく格好つけた飾りがなく訪れた者も肩肘はらずに食事を楽しめる。カウンターでは大半がふたり客で小さな店ならではの適度な一体感もある


諸先輩方が座ったカウンターに駅前では体験できない粋を感じる
『吉住』@恵比寿

誰もが通ったことがある恵比寿駅近くの駒沢通り沿いに、40年続く和食店『吉住』は居をかまえる。

看板が小さく入り口もさり気ないため、大通り沿いながら知らずに通り過ぎる人が大半だろう。しかし、暖簾をくぐり中に入れば、そこは恵比寿であることを忘れてしまう昭和的な温かさが漂う空間。

カウンター7席と座敷からなる小体な店で出迎えてくれるのは、ここで長年客をもてなしてきた女将・松本満智子さんだ。

1979年に夫婦で店を始め、10年前から二代目大将として息子の尚史さんが後を継いでいる。

春に旬を迎えるあさりは、大粒を厳選して仕入れている。あさり鍋コース¥10,000


そんな店でずっと愛されている名物があさり鍋。あさり、白菜、水菜という決して派手ではない具材にして、一度食べれば心がほぐれる滋味深さ。

味が染みた土鍋を使い先代から続くレシピで作る鍋料理は、シンプルだからこそ作り手の腕が明確に出るものだ。


あさりと白菜を半分食べたら豆腐と水菜が入り、〆は雑炊。

米はあさりの旨味をぎゅっと吸いながらも食べ心地は軽く、身体に染みいる優しい味わいだ。


あさり鍋のほかに牛しゃぶのコースも人気で、その同じ肉で作る牛しゃぶサラダが一品料理として提供される。

自家製のゴマだれの香ばしさが食欲を刺激する。

藍染の暖簾が歴史ある店特有の渋さを醸し、しっとりした大人の夜を予感させる。入口が狭く窓がないため、店に気づかない人も多い


豪華食材もいいけれど、日本料理の真髄ともいえる上質な味わいを知ってこそ大人の外食。

こういう和食をデートで選べば、粋な夜をふたりで過ごせるだろう。

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