2020.02.29
深夜0時の分岐点 Vol.10深夜0時。
シンデレラの魔法が解け、現実に戻るように…
27歳。
学歴良し、勤め先良しの男女が送る夢のような日々は、27歳で現実を迎える。
若さと勢いで乗り越えられてきたものが、なんだか小難しくなってくる。
キャリアアップはどこまで目指すのか。結婚はするのか。子供は持つのか。
様々な選択肢が押し寄せてくる頃。
魔法が解けた時、彼・彼女は一体どんな選択をするのだろうか。
「深夜0時の分岐点」一挙に全話おさらい!
第1話:27歳の甘ったれ男に、女が愛想をつかせた決定的な出来事
深夜0時。残業後に駆け込んだ地下鉄は、頬を赤らめて会話を弾ませる男女で溢れている。年末になり、浮き足立つ世間とは対照的に、智絵美は今にも泣き出しそうだった。
広告代理店での営業5年目。同業内で転職し2社目の今、部内では中堅扱いなのに、今日も無邪気な得意先に振り回され、先輩に怒られていた。
-他業界に転職した同期たちは活躍してるのに、私は全然成長してないな...
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第2話:彼氏のインスタログイン時間で、行動を監視する女。不満をため込んだ末の決断
3年前、友人の紹介で出会い交際を始めた菜月と亮。その頃、亮は日系の金融機関に勤めていて、2人は頻繁にデートに繰り出していた。
亮と会えない日は食事会に参加して心を満たす。社内でも美人で有名な菜月は、隣のチームからも食事会の声が掛かることが度々だった。大学卒業後、憧れの総合商社には入れなかったけど、専門商社でグローバルな仕事をこなしながら、充実したプライベートを過ごす。
しかし、菜月が夢にまで描き叶えた日常は、気がついた頃には跡形も無く消えていた。
今年4月に亮が外資系に転職して以来、亮は会食三昧になり、2人で過ごす時間は急激に減ったのだった。
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第3話:「デートするのも面倒」人の粗を探してカリカリしていた女が、優しくなれたワケ
入社2年目の夏、彼に言われた「聡子は、女の子として強すぎる」という別れの一言。あれ以来、忙しすぎて彼氏を作る暇もなかったし、まともに休みも取れていない。
帰るのが早くてもお給料が低いなんて耐えられない。ダサいおじさんに囲まれてつまらない仕事をするのも無理。そんな意地で入った会社だったが、その選択が本当に正しかったのか、聡子には時々迷う瞬間があった。
-でもいつかきっと、これで良かったって思えるはず。
いつものように自分に言い聞かせながら深く深呼吸をしていると、机の上のスマホ画面が光った。
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第4話:「女の子紹介します」を連発する男の心理。言葉の裏に隠れていた、男の本音とは
可愛い女の子を紹介すれば先輩にも喜ばれるし、その時に他の子も呼んでもらえばまた女友達が増える。無意識のうちに頭が働き、すぐさま自撮りストーリーズのキャプチャを取ると、チームの先輩である安藤に送りつけた。
-健太郎:先輩、この子と食事会しましょう!
そんな連絡をしながら、健太郎はどこか満足げだった。広告代理店に勤務し、イケてる毎日を過ごしていると信じていた。まさか、自分が「こじらせ男子」だなんて思ってもいなかった。
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第5話:「好きだけど、結婚願望はない」。アラサー女を迷わせた、年下彼氏の言葉
新幹線の座席の隙間から興味深そうに目をパチクリとさせていた4歳くらいの男の子。思わず笑い転げた海斗と遥香は、しばし少年とじゃれ合うと、最後に記念写真を撮ったのだった。
「あ〜本当に可愛かったね、この子」
「ね!本当にキュンとした...子供欲しいなぁ〜」
自然に放たれた海斗の言葉を、遥香は聞き逃さなかった。今ならきっと、あの話ができるはず...。そう思った遥香は高まる気分に任せて、勢いよく海斗に抱きついた。
「ねぇ、そろそろ将来のこと考えてみない?」
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第6話:「付き合うまでは一生懸命」なワガママ男の、恋愛が長続きしない理由
「なんで?毎日LINEして、お互い時間があるときは2時間も電話だってしてたのに!結衣は特別な存在って言ってたじゃん!」
「特別だよ。でも付き合うつもりはない、ごめん」
感情が込み上げて和樹の言葉に涙を流し始めた結衣を目の前にしても、和樹は全く慌てふためかなかった。
-2週間前、アイツに言われたことは、正しかったのかもしれない。
ー俺は、「恋に恋する男」か「クズ」のどっちかなんだろうな。
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第7話:「君は特別な存在だから」男の甘い囁きに騙され、“彼女”にはなれない女
結衣はまるで家の中でゴキブリを見つけたかのように、硬直していた。その足元には、見覚えのないアイライナーが、結衣を嘲笑うかのように転がっている。
金曜の仕事終わり、和也の家に先に到着した結衣は、約1週間ぶりに部屋の掃除をしていた。
床やベッドの上に散乱する和也の服を回収し、ソファに雑に脱ぎ捨てられた部屋着のパーカーを持ち上げた瞬間だった。見覚えのない黒いペンが転がり出て来た。
結衣は思わずペンを拾い上げようとしゃがんだが、そのパッケージに印字された文字に、手が止まった。
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第8話:「貯金400万くらい、あるでしょ?」旧友からの一言に傷つく、エリート商社マンの心境
もう商社で5年も働いているのに、まさか貯金が40万しかないなんて、雄大は口が裂けても言えなかった。
高校から慶應に通い、勤め先は大手総合商社。彼女は同じ会社の一般職で、女性誌に読者モデルとして登場することもある。同級生たちの中でも、輝かしいステータスの王道を歩んできたはずだった。
なのに、今は、無名のスタートアップで働く浩輝の方が、何故だかキラキラして見える。
雄大の人生と、浩輝の人生。気がつけばその順位は、逆転しているように見えた。
第8話の続きはこちら
第9話:元カノと連絡を取り続ける彼氏。男に尽くしすぎて、ナメられてしまった女の逆襲
ベンチャーの新規事業部で働いて五年、後輩もついて自分で仕事を回せるようになった。けれど、仕事を回すために、無機質な生活を送ることになった。
ーせめて、家に帰ったら、お風呂に入ってゆっくりしよう。
そう思っていた矢先、ポケットの中で携帯が震える。
寒さに震えながら携帯を取り出すと、そこに表示されていたのは悠司からのLINEだった。
第9話の続きはこちら
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「君は特別な存在だから」男の甘い囁きに騙され、“彼女”にはなれない女
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