「モテる男なんて苦労するだけ」
「結婚するなら誠実な男が一番」
早々に結婚を決めた女友達が、口を揃えて言うセリフ。
だが本当にそうなのだろうか。ときめきのない男と結婚して、幸せなのだろうか。
そう疑問を呈するのは、村上摩季・27歳。
モテ男にはモテるなりの理由がある。男としての魅力があるからモテるのだ。そういう男に愛されたいと願うのは、女として当たり前ではないか。
これは、痛い目にあいながらもなお「モテ男と結婚したい」と願う摩季の、リアルな婚活奮闘記である。
「モテる男」一挙に全話おさらい!
第1話:「この人、ズルい…」一瞬で女心を掴んだ男の、さりげないテクニックとは
モテ男との恋愛を繰り返してきた結果…現在、私は27歳。独身・彼氏なし。
友人の3分の1はすでに結婚しており、残り3分の1にも彼氏がいる。そしてそのまた残り3分の1が私のような女という状態。
リアルに迫る、“結婚”の二文字。今度こそ地に足のついた恋愛を…そう誓っていた、はずだったのに…。
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第2話:「今から会おうよ」22時、モテる男からの誘い。ダメだとわかっていても抗えない女の葛藤
『この間はありがとう。バーベキュー楽しかったね!また会えたら…』
自宅ベッドで仰向けになったまま、慎重に言葉を選ぶ。社交辞令に見せかけたい。しかしただ当たり障りがなくても艶がない。かといってあからさまな好意はtoo muchだし…。
そして結局、私は散々時間をかけたメッセージを削除した。
「ダメだ…正解がわからん」
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第3話:「俺…本当は一途だよ」深夜のバーで、モテる男が囁いた言葉。その真意とは
「玲奈が言ってたよ、相原くんはすごくモテるって。いろんな女の子とデートしてるんでしょ?」
ちょっとしたジャブを打ってみる。しかし勇輝は「あはは」と笑っただけだった。…否定も肯定もしないのは、図星なんだろう。けれど次の瞬間、彼が急に真剣な表情を見せ、私をドキッとさせた。
「でも俺、本当は一途なんだよ?」
大きくて、まっすぐな瞳。そして私はこの後、彼の言葉の真意を知ることとなるのだった。
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第4話:「じゃ、付き合おっか」脈ナシからの大逆転。モテる男の告白を引き出した、女の手腕とは
歳を重ねようが、アラサーになろうが、恋にときめく気持ちは10代と変わらない。また彼に会える。それを思うだけで身体中から活気が溢れてくるのだ。
仕事に対するモチベーションもわかりやすく上がり、任されていたクライアントから2件も新規の広告を獲得。上司から褒められたりもして絶好調だった。
完全に浮かれる私だったが、心の奥底に引っ掛かりがなかったわけじゃない。そしてその引っ掛かりを再認識させたのは、ほかならぬ親友の一言だった。
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第5話:「泊まってく?」モテる男に誘われ夜を共にした女。その直後、不安に襲われた理由とは
昨夜、七里ヶ浜の海で突然キスされて、それで…。勇輝から「付き合おっか」って言われた。それからしばらく夜の海を眺めて、手を繋いだまま車に戻って。そして当たり前のように、気づけば勇輝のマンションにいた。
「泊まってく?」
運転席で、彼が静かに尋ねたシーンを思い出す。低く穏やかなのに、微かにSっ気の漂う声が、私の理性を吹き飛ばした。
それに、断る理由なんてない。私は…勇輝の“彼女”になったのだから。
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第6話:「私、遊ばれてる…?」モテる男の部屋で感じた不信。そっと開けた戸棚の奥で見つけた物とは
ついさっき、後輩・香織が私に向けた不敵な微笑と言葉の刃。気にすることなどない。相手にしてはいけない。
頭ではわかっているものの、彼女の挑発的な視線が忘れられなかった。
香織はきっと私と違い、常に恋愛で勝ってきた女なのだ。だからあんな風に強気でいられる。
−よりによって、一番苦手なタイプがライバルになるなんて。
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第7話:必要なのは、顔でも性格でもなかった。モテる男の彼女になるための条件とは
「ねぇ、玲奈。男の一人暮らしの部屋に女ものの化粧品があった場合、やっぱり黒だよね…?」
唐突に、何の前触れもなく問いかけた私を、玲奈はただ黙って見つめ返した。
勘の鋭い彼女のことだ。私が「話があるの」とランチに誘った時から“何かあった”ことを察していたのかもしれない。
「…それで、相原はなんだって?」
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第8話:「嘘でもいいから安心させて…」矛盾する女心をバッサリと斬り捨てた、モテ男の言い分
会いたくない人に、一番会いたくないときにこそ会ってしまうのはなぜだろう。低いテンションのままどうにか残業を終わらせ、心身ともに疲れきってエレベーターに乗った、そのとき。
「…あれ?摩季さん、なんか疲れてます?」
−最悪だ。
先に乗っていたのは、あろうことか香織だった。
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第9話:「比較検討するのは当たり前」モテ男の彼氏がいるにも関わらず、別の男と会う女の本音
「…摩季、何かあった?」
目ざとい裕子が私の異変に気付き、目の前で手をひらひらとさせる。
「チャラい商社マンに何かされた?」
悪戯っぽく笑う裕子。彼女にとっては軽い冗談のつもりだろうが、完全に図星で笑えない。するとそんなやりとりを横で見ていた花苗が、私の様子を伺いながら遠慮がちに口を開いた。
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第10話:「彼氏とうまくいってないんだろ?」女心を揺さぶる、意外な男からの誘惑
顔だって悪くない。癖のない、品のある顔立ちをしている。花苗が私に会わせようとしたのも納得だ。ただ…やっぱり私の胸はまるでときめかなかった。勇輝に出会った時のような、心踊る感動がない。
しかし、だからこそ私は、初対面にもかかわらず全く構えることなく自然体でいられた。「嫌われたらどうしよう」とか「気に入られたい」なんて感情がわかないから、言いたいことが言えた。
その対応が“間違っていた”と気づいたのは、食事も終盤、お互い一通りの自己紹介を終えた後。途切れた会話の合間に、彼がふっと照れ笑いを浮かべた時だった。
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第11話:「なんで知ってるの…?」女の敵は女。別の男との密会が、彼氏にバレた経緯とは
−家に来ていた別の女の子が揃えたのかな…。
なんてまた要らぬ想像をしていたら、ふと顔を上げた瞬間に勇輝とバッチリ目が合った。そしてその瞬間、私はようやくただならぬ気配を察知する。
「…ねぇ摩季ちゃん」
普段の勇輝はポーカーフェイスで、あまり感情を表に出さない。しかし今目の前にいる彼の表情には、不機嫌の色がありありと表れていた。対面式キッチンの向こう側から、私をまっすぐに見つめる勇輝。彼が口にしたのは、予想もしていない言葉だった。
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