浪費の女王 Vol.12

彼女の年収は、自分の2倍。格差恋愛に悩む卑屈な男がやってしまった、最悪の行為

人は買い物という魔法を使って、“なりたい自分”を手に入れる。

ならば、どれだけ買っても満たされない女は一体何を求めているのだろう―?

32歳にして年収1,200万円を稼ぐ紗枝は、稼いだお金を存分に買い物に使う「カッコイイ女」のはずだった。

だが、些細なきっかけで物欲が歪み始めた紗枝は、恋人の慎吾と破局を迎える


心の隙間を埋めるため、超富裕層の個人投資家・喜多川の元で浪費に走る紗枝だったが、喜多川と向き合うことで自身の弱さを克服し、慎吾に自分の心をさらけ出すのだった

今回は【番外編】。浪費の女王・紗枝を伴侶に選んだ男・慎吾の心の闇とは?


クローゼットに隠してあった、真っ赤な高級ブランドの紙袋

多分、紗枝がずっと欲しいと言っていた腕時計だろう。

―俺には買えない値段の時計。やっぱり、自分倍近い年収を稼ぐ彼女と結婚しようなんて、無謀だったのかもしれない。

千葉へと向かう総武線の揺れに身を任せながら、慎吾は今朝終わってしまったばかりの紗枝との関係を振り返っていた。

星の見えない夜を走る電車の窓が、鏡のように慎吾の姿を映し出す。

カッとなってつい言い放ってしまった別れの言葉は、慎吾自身の胸にも激しい痛みを伴いながら突き刺さっている。

でも、きっとこれで良かった。

紗枝に借金を申し込まれた時、あんな事を考えてしまった時点で…

関係を続けることは難しかったのだ。

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