東京は、未婚率全国1位の独身天国。
人に深入りせず、きちんと自己防衛し、常に楽しさを求めること。それを守れば、この街では例えパートナーがいなくても毎日を楽しく生きられる。
しかしそんな刹那的な楽しさだけでは、満足できないこともある。私たちは時として、心の底から人との愛や絆を渇望するのだ。
「誰も人を好きになれない」と悩む倉松美佳・30歳もそのうちの一人。
昔は、もっと簡単に人を好きになっていた。
愛することなんて、当たり前のようにできていた。
でもいつからだろう・・・? 恋をすることがこんなにも難しくなったのは。
この東京砂漠で、果たして本物の愛は見つかるのだろうか―?
美佳とバーで出会った祥太郎が気になりつつも、通称アベレージ君と出会った美佳。その一方で、美佳の友人で幸せに見える既婚者の紗弥加も愛を探していた・・・?
既婚者・紗弥加の葛藤
—早く帰ってこい。
旦那から入ってきたLINEを見て、私は小さくため息をついた。
今日はせっかく久しぶりに美佳と葉月とご飯だったのに、旦那からの催促メールのせいでこの会はお開きだ。
「そろそろ帰ろうか。旦那から早く帰ってこいって連絡が来ちゃった」
そう言いなが......
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この記事へのコメント
可哀想で仕方ない
でもポロポロと泣ける友達がいて良かった
このままだと妻に気づかれてないと調子に乗るだけ