東京は、未婚率全国1位の独身天国。
人に深入りせず、きちんと自己防衛し、常に楽しさを求めること。それを守れば、この街では例えパートナーがいなくても毎日を楽しく生きられる。
しかしそんな刹那的な楽しさだけでは、満足できないこともある。私たちは時として、心の底から人との愛や絆を渇望するのだ。
「誰も人を好きになれない」と悩む、倉松美佳・30歳もそのうちの一人。
昔は、もっと簡単に人を好きになっていた。
愛することなんて、当たり前のようにできていた。
でもいつからだろう・・・?
恋をすることがこんなにも難しくなったのは。
寂しさを埋めるために、適当な誰かに連絡しても虚しくなるだけと悟った美佳。この東京砂漠で、果たして本物の愛は見つかるのだろうか―?
独身貴族・栗原祥太郎(34)の日常
寝室の方から、女性の寝息が聞こえてくる。
その寝息を遠くに感じながら、僕は小さくため息をつき、32階から東京の夜景を見つめていた。
まだまだ電気がたくさん付いているビル群の数々。
東京タワーが綺麗に見えるこのマンションに越してきて、もう5年になる。 学生の時に作った......
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冷めるね。