私のモラハラ夫 Vol.4

深夜のキッチンで目撃した、夫の奇行。妻の小さな“出来心”が招いた悲劇とは

可憐な妻と優しい旦那。

わたしたちは、誰もが羨む理想の夫婦だったはずなのに。

若くして結婚し、夫の寵愛を一身に受ける真美・27歳。

鉄壁で守られた平穏で幸せな生活が、あることをきっかけに静かに狂っていく。

そしてやがて、気付くのだ。この男が、モラハラ夫だということに。


優しく穏やかなはずの夫・陽介が、ある夜から少しずつ変わって行く。

真美は、夫の過剰な束縛に初めて抵抗を試みるが、まさかの家庭内軟禁をされてしまい…


「のどの痛みはどう?寒いんだから、気をつけなくちゃ。」

乾いた咳がなかなか収まらない真美を、陽介は心配そうにのぞき込む。

「だいぶマシになったから、もう大丈夫。」

真美は、精一杯の笑顔でそう応えるが、あの夜以降、風邪を拗らせてしまったようで、1週間が経った今でも、真美の体調は優れなかった。


あの日、クローゼットに閉じ込められた真美は、必死で助けを求めた。しかし、冷たい怒りをあらわにした陽介は、なかなかその扉を開こうとしなかった。

それから1時間以上経ったころだろうか。疲れ果てた真美の前の扉が少し開き、陽介がヌッと顔をのぞかせた。

「マミちゃん、僕の言いたいことわかってくれた?…ほら、寒かったでしょ。」

寒さと恐怖で、もしかしたら混乱していたのかもしれない。だけどあの時、陽介から差し伸べられた暖かい手に触れた瞬間、なぜか真美は心の底からホッとしたのだ。

「もう、困らせないでね。マミちゃんのためなら、僕はなんでもできるんだから。」

ーこんなに大切にしてもらってるのに、わがままを言った私が悪いのか…。

冷えた体を抱きしめられた真美は、その温もりと力強さに飲み込まれるかのように、小さく頷いたのだった。



「マミちゃん、無理しないでゆっくりするんだよ。早く帰るからね。」

行ってきますのキスを交わし、玄関を出た陽介は、思い出したかのように振り返った。

「そうそう、今日、午後から母さんが来てくれるからね。マミちゃんの具合がよくないって伝えたら、すぐに助けに行くって言ってくれたから」

ーお義母さんが…?!嘘でしょ…。

誇らしげに歩き出す夫の姿が見えなくなると、真美は玄関の鍵をかけ、深いため息をついた。

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