女子力の呪い Vol.12

妻や母になっても、“女”であることは一生つきまとう。「女子力の呪い」全話総集編

私たちには呪いがかけられている。

いつでもかわいらしく身ぎれいに、
だって「女の子なんだから」。
人の輪を乱さずに、まわりに気を配るの、
だって「女の子なんだから」。
男性を立てて。プライドを傷つけちゃだめ、
だって「女の子なんだから」。

キャリアを手にし、妻や母となっても、影のようにつきまとう呪いの正体とは?

“女子力”に縛られ、おどらされる女たちの過去と現在の姿をのぞいてみよう−

「女子力の呪い」一挙に全話おさらい!

第1話:ハンカチは常に3枚持ち。狙った男は必ずおとす“女子力おばけ”萌美・25歳

–涼子って…ちょっと残念かも

涼子の総合的な女子力は、30点というところか。そもそも長い手足や派手な顔立ちは、“女子力”という観点において実はマイナスなのだ。それをさらに際立たせる服装なんて…

「もう、やめてよお」

萌美は口もとを手で隠すと「うふふ」と笑みをこぼした。この上なく愛らしく上品で、“女子力”の高い笑みを。

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第2話:それはまるで、甘美な地獄。理想の結婚を手にした32歳の人妻をからめとる“女子力”の呪いとは

「もえちゃん、女の幸せはいい男に選ばれるかどうかで決まるのよ」

母の言う“いい男”とは、理想の結婚生活を保証してくれる男と言う意味である。そう、萌美の夫、雅人のように。

外資証券会社に勤める雅人は、36歳にして年収は2,500万超え。性格はおだやかで優しく、浮気もせず、萌美の誕生日はホテルやレストランでこうしてお祝いを欠かさない“いい男”だ。

そして萌美は思う。25歳のころ夢にまでみた、理想の結婚生活。 それはまるで…出口のない、地獄だった。

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第3話:男のためなら、深夜のタクシーぶっ飛ばす。24時間準備万端な“暴走アモーレ”綾女・28歳

「ほら、もっと前に出たら?今日の主役なんだから」

編集部のチーフ、十和子さんだ。とびきり美人で、次期部長とも噂されるやり手の先輩。彼女に目をかけられたことで今の自分がいるといっても過言ではない。

しかし今の綾女には、そんなことはどうでもいい。

重要なのは、この太ももの上のスマホがこのまま鳴らないか、鳴るとしたら何時に鳴るか。それだけだから。

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第4話:3年あれば、女は別人。あわれな“暴走アモーレ”を最恐の“暴走マザー”に変えた呪いの正体とは

芸能人や政治家の子息も通うというプリスクールの周りには、ベンツなどの高級車が行儀よく列をなしている。

いた。あの女だ…!

綾女は“標的”の存在を確認した。

彼女は入園式でもないのに上品な紺のセットアップを着込み、ママ友とにこやかに立ち話をしていた。綾女はさっと口紅を塗り直してタクシーを降り、つかつかと歩み寄った。

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第5話:「俺はもう、必要ないでしょう」20代の格下女に夫を奪われ、若さに取り憑かれた35歳・元モデルの闇

–まだ35歳なのに…。35歳と、11ヶ月だってば…!!

留美子(35)は、20代前半とおぼしき若いエステティシャンを思わず睨みつけそうになった、

代官山にある隠れ家サロン。120分4万円近くするが、安いものだ。ここで、筋膜と血流にアプローチするミオドレナージュという施術を受けると、肌はつやつやと輝き、顔も一回り小さくなっている。この贅沢な時間は、自分へのご褒美だ。

留美子は、顔いっぱいにオイルを塗りたくられながら、昨夜の屈辱的な出来事を思い出していた。

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第6話:モテない、結婚できない、チヤホヤされない。「30歳の壁」に苦しむOLを救った、謎の女の正体とは

年齢は40代くらいだろうか。いわゆる中年の女性だ。しかしその年代にしては顔が小さくて背が高く、若い時はなかなかの美人だったと思われる。「よっ!ルミ姐!」「日本一!」女が歌唱を終えると、店の常連客らしきおじさん達が口々に褒めたたえる。

よく見るとその額には、かつてケガをしたのだろうか、鉤裂きのような大きな傷跡があるのが分かった。

みゆきと目が合うと、その女は子どものように歯を見せてニカッと笑った。

–なんなの?変な女…

第6話の続きはこちら

第7話:「抱いて。私たち…このままじゃダメになる」苦悩する女にハイスペ夫が突きつけた、残酷な一撃とは

20代後半から30代前半。人生が80年だとしたらその1/10に満たないこのわずかな期間で、女の人生はほぼ決まると言っていい。

かく言うみゆきも、彼氏いない歴1年近くになる。ここ数年が勝負だ。ふさわしい相手を見つけ、恋愛、結婚、出産とうまくコマを進めていかない限り、その後は–

「孤独死、まっしぐら…」
「は?誰が?」

第7話の続きはこちら

第8話:“35歳の壁”を乗り越え、幸せをつかんだ女。その人生を動かした、驚くべき「ある方法」とは

11歳年下の夫、永田伸一郎と出会ったのは、前の夫である堂場芳樹と離婚して2年が経った頃だった。

そう、すべては「あのこと」から始まったのだ。

みゆきは思い返していた。玲子さんという謎の女性から「あのこと」を聞き、踏み出すべきか、やめるべきか悩んだこと。

それをきっかけに、人生が大きく動き始めたことを–

第8話の続きはこちら

第9話:「お茶しよう、話聞くよ」異様に気が利く“女子力男子”は理想の彼氏か、闇を抱えたヤバい男か

川上理子(28)と、ナベちゃんこと渡辺雄一が再会したのは、広告代理店の友人に誘われたホームパーティーだった。

ホムパの料理といえば、簡単につまめるものばかりであまり期待はできないものだ。ただその時は違った。キャロットラペに、ひよこ豆のフムス、羊の香草焼き、いちじくのタルト…どれも驚くほど美味しく見た目も華やかだ。

出会いそっちのけで皿に料理を盛っていると、薄いピンクのシャツを着た細身の男が話しかけてきた。

「美味しいですか?これ、ほとんど僕が作ったんです」

第9話の続きはこちら

第10話:「また会えて嬉しいよ」7年間“プロ独身”を貫いたハイスペ男に潜む、底知れぬ闇

理子(35)はインターホンを押し、軽く深呼吸した。

代々木上原の駅から徒歩3分のマンション。ピカピカに磨き上げられた玄関には花やグリーンが行儀よく並び、どこからかパンの焼けるいい匂いが漂っている。

「趣味のいい奥さまがお住まいなのね」。この家を見ればきっと誰もがそう言うだろう。でもここにお住まいなのは奥さまではなく–

第10話の続きはこちら

第11話:「あの子キレイなのに…もったいない」31歳・交際経験ゼロの美女が、男の唇を頑なに拒む理由

凪は、洗いざらしのままゴムでまとめただけの髪をさっと結わえ直した。

体のラインが出ないコットンの服に、革のスニーカー。ネイルどころか化粧だってほとんどしない。

多くの人は凪にこう言う–「ちゃんとすれば美人なのにもったいない」と。

まったくもって余計なお世話だ。なるべく“女子”扱いをされずに生きること。それが、凪の唯一の望みなのだから。

第11話の続きはこちら

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