「親を大事にしろ」
人はそう、口を酸っぱくして言うけれど。
生まれてくる親を、子は選べない。
名誉や金にすがった親の“自己愛”の犠牲となった、上流階級の子どもたち。
代々続く地方開業医の娘として生まれた七海(31)も、そのうちの一人であった。
父の死をきっかけに、母は本性をあらわした。そんな母との関係に苦悩する女の、“幸せをかけた闘い”が幕をあけるー。
父の死後、少しずつ様子がおかしくなっていく七海の母・真由美。
七海は、諒太との結婚を決めるが、母は諒太の学歴や生い立ちなど何もかもが気に入らず、断固として認めようとしない。
母の承諾を得ることを諦め、結婚式準備を始める七海だったが、“親に祝福されない結婚”に対する世間からの視線は冷たいものであった。
そしてついに七海は結婚式を挙げる−。
「七海、諒太くん。結婚おめでとう!」
何日も降り続いていた雨が嘘のように、空は真っ青に澄み渡っている。
雲ひとつない秋晴れの週末。私たちは、ウエディングパーティーを開いた。
表参道の『ランス ヤナギダテ』でのレストランウエディング。格式ばった結婚式とは異なり、ゲスト......
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この記事へのコメント
お祝いの場であんな無神経なこと吐き捨てられる三悪揃った友人なんて縁が切れて良かったんだよ。
友人に対して思い入れや情があるのもすごく分かるけど、アルコールで理性が効かなくなって人を傷つける性質はちょっとやそっとじゃ変わらない。
最終回、このまま母親が大人しく収まるのか心配…