外銀女子 Vol.9

部屋で二人きりにまでなったのに、なぜ!?意中の男が、指一本触れて来なかった本当の理由

“生まれつき勝ち組”だなんて胡座をかいていられるのは、今だけよー。

佐藤直子(27歳)は地方の下流家庭出身だが、猛勉強の末に東大合格、卒業後は外資系証券会社に入社。独力でアッパー層に仲間入りした「外銀女子」。

そんな直子の前に“生まれながらの勝ち組”・あゆみが現れる。

容易く多くを手に入れるあゆみに、直子の苛立ちは募るばかり。

そんな時、中学・高校時代の同級生・知也と偶然再会した直子。つかの間のが訪れたかと思った矢先、実は彼が天敵・あゆみの元彼だったと判明する。

あゆみを意識しすぎるあまり、直子は思わず自ら知也を家に誘ってしまった


部屋で二人きりになった、その後のこと


ソファで寝落ちてしまったようだ。

首に感じる鈍い痛みで、直子は目を覚ました。

全身に残る怠さ、内臓がよじれるようなこの感覚…完全に二日酔いだった。

昨晩、知也と2軒ハシゴして、それから…

―…!?

不意に、断片的な記憶がよみがえる。

「この後、どうする?」

思わず自ら知也を誘った、あの声を思い出す。そして…そのあと、どうしたんだっけ?

状況を把握しようと、慌ててソファに起き上がり部屋を見渡す。

ソファの他には本棚とダイニングテーブルがあるだけの殺風景な部屋に、普段と違う点は…見当たらない。

自身の姿を確認すると、昨日のワンピース姿のままだった。

ホッとする気持ちが勝るものの…なんだろうか、このモヤモヤ感は。

二回目のデートで付き合ってもいない男と一線を超えてしまった場合...相手にもよるだろうが、今後の関係がポジティブに展開する可能性は低いに違いない。

しかし部屋で二人きりにまでなっておいて、何も無かったら何も無かったで、自分に女としての魅力が足りなかったのではないか、という気もしてくる。

...女というのは、面倒くさい生き物だ。

―まぁ、何にもなくて、良かったのよ。

そう自分に言い聞かせ、水でも飲もうとキッチンに立った時、シンクに残された2客のコーヒーカップが目に飛び込んできた。

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