モテキ参上! Vol.7

「あなたが悪女だなんて思えない。」恋する男の決死の行動が、倒産寸前の会社にもたらした奇跡

男ならだれでも一度は夢を見る、“モテキ”。

しかし突然訪れた”モテキ”が、人生を狂わせることもある。それが大人になって初めてなら、なおさら。

茂手木 卓(モテキ タク)、29歳独身。趣味は微生物研究。

これまでの人生、「モテることなんて何の価値もない」と思っていたタクだったが、モテ男ジェイと出会い、起業することに。

その後テレビに出て有名になったタクに人生初のモテ期が到来するものの、まさかのハニートラップにかかる。

また一目惚れした美女の過去を知り混乱しているところに、ビジネスでも大きな損失を受ける。そんなタクの前に、史上最大の難関が立ちはだかろうとしていた…


「このままだと、潰れるね。」

こんなに落ち込んだ声のジェイは、出会ってから初めてだ。

それもそのはず。僕らの会社は、3つの大きな問題に押しつぶされそうになっていた。

一つ目は、研究の遅れ。

共同研究していた佐藤社長から三下り半を突きつけられ、ショックを受けるジェイを元気付けようと、僕は「アテがある」と大見得を切った。しかし他の研究機関に共同研究を依頼しても断られるばかりで、既に5社に断られている。

このままでは今期必達事項に挙げていた研究成果が発表できず、投資家離れによる資金不足が懸念されるのだ。

ベンチャー企業にとって、初年度の目標達成がどれほど大切かは、こんな僕でもよくわかっているつもりだ。

二つ目は、(これは主に僕個人の問題なのだが)玲奈ちゃんの奇行について。

深夜番組で青年実業家(つまり僕)との関係を暴露した彼女に、止めるよう忠告をしたいのに、一切の連絡が取れない。

普段は温厚なジェイが「気をつけろって言ったのに!」と、声を荒げて怒ったのも当然だ。

炎上モデルとしてプチブレイクした彼女が叩かれると同時に、我が社のイメージもどんどん下落していき、ネット上では三流同士お似合いなどと書かれてしまった。

そして、三つ目にして最大の問題が、サプリの販売停止命令が下ってしまったということ。

テレビショッピングで大成功を収めたダイエットサプリ「マイクローブ・スリム」が、処方特許に抵触していると判断されてしまったのである。

突貫で作ったサプリは、細かい処方特許まで調べ尽くせていなかった。開発責任者である僕の、完全なるミスだ。

販売停止を余儀無くされた僕たちは、行くあてのない大量の在庫を抱えたまま、資金不足で次の手が打てないというわけである。

「・・・どうしようか。」

考えても考えても、主に僕のせいでTJマイクローブは近い将来、経営難に陥る。

言葉にすると他人事のようだけど、ジェイの悲壮な顔が事実だと物語っていた。

倒産危機を招いてしまった僕は腹をくくり、ある人物のもとを訪ねることを決心したのだった。

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