モテキ参上! Vol.1

モテキ参上!:その日は、突然訪れる…?理系オタク⇒モテ男への華麗なる転身をした、夢のような一夜

男ならだれでも一度は夢を見る、“モテキ”。

しかし突然訪れた”モテキ”が、人生を狂わせることもある。それが大人になって初めてなら、なおさら。

茂手木 卓(モテキ タク)、29歳独身。趣味は微生物研究。

これまでの人生、「モテることなんて何の価値もない」と思っていた男。

しかし一度味わってしまった際限のない欲望からは、簡単には逃れられないのであるー。


窓の向こうには、満天の星空のような東京の夜景が広がっている。

地上42階からの景色を眺めながら、生まれ年のクリュッグヴィンテージに口をつけると、まったりとした酸味が口いっぱいに広がり、すぐ消えた。

窓に映る男は、上質なスーツに身を包み、1本10万円のシャンパーニュを口にしながら、東京を見下ろしている。

…それがまさか自分だなんて、今でも時々夢を見ているような気分だ。

「タクさん、今日はお招きいただいてありがとう~♡」

背後から声をかけられ振り向くと、名前も知らない女が立っていた。

今日はあるプロジェクトの成功を内輪で祝う予定だったが、いつの間にか部外者が増えているのは、ジェイの仕業だろう。

メゾネット様式のパーティー・スタジオの上階には、豪快に笑っているジェイと、その取り巻きがいつものように騒いでいる。

―あいつが集めると、いつもこうやからな…。ま、いいけど。

「ねえ、タクさんのお部屋、みてみたいな♡」

肩と脚を丸出しにした女が耳元でささやくが、この程度では何も感じない。

「今日は先約があるから、ごめんね。」

そういってくるりと向きを変えると、残念そうに去っていく女の姿が窓に映って、消える。

ほんの1年前まで女性と話すだけでも右往左往していたというのに、こんなあしらい方ができるようになるなんて、過去の自分に教えてやりたい。

モテ期が到来するだなんて予想すらしていなかった、あの頃の僕に―。

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