高学歴女子の遠吠え Vol.9

「一夜の過ちでも、彼を繋ぎ止めたかった…」純粋すぎる女の打算が踏みにじられた夜

―なんで“にゃんにゃんOL”を選ぶの!?

ハイスペ男子の結婚式で、こう思ったことのある高学歴女子は多いのではないだろうか。

お嬢様女子校から東大に入り、コンサルティング会社でマネージャーになるべく仕事に邁進している大西夏希(28歳)もその一人。

夏希は、“結婚”という壁にぶち当たり、無意味なお食事会を断り港区お爺さんで傷を癒そうとするが、ハイスぺ婚をした留美に「一見、無駄に思えることでも価値があったりする。」と諭される。

会社の研修で武田と再会し、キャリアと家庭の両立に悩んでいると打ち明けられ、ゼミの同窓会では、「弱みを見せられる関係じゃないと、結婚生活を続けるのは大変」というハイスぺ男子の本音を聞き、武田のことを意識しだす。

留美に頼まれた金融セミナーで「傷付かないで恋愛はできない」と力説され、夏希は武田をデートに誘ってみる。

一方で、幼馴染の千春はハイスぺ男子に弄ばれ落ち込んでいた。


マンションの二重エントランスをぬけると、水分を含んで重くなった熱風が体にまとわりついた。

…せっかく綺麗にブローしてきたのに台無しになっちゃうわ。今日は、夜までこの状態をキープしたいのにっ。

そんな女心から、ついタクシーを探してしまう。今日は千春と留美に会ったあと、夜に武田と約束していた。交通量の多い古川橋の交差点まで出ても、暑さのせいか空車が中々見当たらず、つい苛立ってしまった。



レストランに着くと、一番奥のテーブルに留美と千春が隣り合わせて座っていた。千春は踏みつけられたタンポポのように項垂れている。

夏希の心には、まだ千春に対し同情と軽蔑の念が入り混じっていたが、あまりの落ち込みように、一気に相手の男に対しての怒りが湧き、自然と慰めの言葉が出てきた。

「ごめんね、千春。私が先に帰っちゃったりしたから…。」

「違うの、私が浅はかだったんだよ…。相手が本気じゃ無いこと位、分かってた。それでも、私は彼に好きになってもらいたかったの。もう、28歳なんだしって自分に言い聞かせて、勇気を出したつもりだった…。」

ミッション系の女子校で育ったこともあり、奥手なことが三人の共通言語となっていただけに、夏希も留美も驚きとショックを受ける。

「二人とも、朋子のこと、覚えてる?」

夏希と留美は顔を見合わせ、無言で頷く。千春はチャイティーをクピクピと飲み、ふうっと溜め息をつき、語り出した―。

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