ノリオとジュリエット Vol.7

京都のご令嬢と禁断の一泊旅行。恋に溺れる2人の密会と、破滅へのカウントダウン

ゲーム機器メーカーの京都本社に勤める一ツ橋紀夫(ひとつばし・のりお)は正真正銘の庶民。

“普通”で平凡な日々を送る紀夫が出会った美女・萬田樹里(まんだ・じゅり)は、なんと全国に名を轟かせる老舗和菓子屋のひとり娘。

樹里からデートに誘われ距離を縮めていくふたりは、紀夫の部屋で一夜を過ごす

しかし翌日、ふたり一緒に出かけたカフェで紀夫が3年前に別れた元カノ・一二三薫とばったり再会

すると薫は紀夫に「樹里はやめた方がいい」と忠告。さらには「私とやり直そう」と言いだし、紀夫を困惑させる。


「これこれ!この宇治抹茶のエスプーマ!これが食べたかってん」

少女のようにきゃっきゃと喜ぶ樹里に、紀夫は「それは良かった」と父親のごとく目を細めた。

この日はお茶のお稽古帰りだという樹里と待ち合わせ、彼女がどうしても行きたいと主張する『茶匠 清水一芳園』にやってきた。

なんでもいま京おんなの間でここのかき氷が話題らしく、週末ともなれば余裕で1時間以上は並ぶらしい。

じっとしていても汗が吹き出すような夏の京都。1時間も行列に並ぶのはさすがに無理だということで、先に名前だけ書いておき、これまた樹里の提案で近くにあるピッツェリア『IL PAPPALARDO』でランチをしてから戻ってきたのだ。

…樹里とは、毎週デートをして良好な付き合いを続けている。

−私とやり直さへん?–

少し前に電話をかけてきた薫の突然すぎる提案には驚いたが、あからさまに戸惑う紀夫の反応を見た彼女の方が「嘘。冗談!」と言って笑いに変えた。

冗談なんかじゃないことは承知だったが、紀夫のほうも「…やんな。わかってたで」などと返してその場をおさめておいた。

その気がないことをはっきり告げた方が良かったのかもしれないが、それでなくても傷心にある薫に、わざわざキツイことを言うのは憚られたのだ。

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