2018.05.01
一見、何の問題もなく幸せそうに見える仲良し夫婦。
けれども彼らの中には、さまざまな問題を抱えていることが多いのだ。
北岡あゆみ、32歳。大手電機メーカーの企画開発部に所属する彼女も、昨日までは、この幸せな生活が永遠に続くものだと信じていた。
ある一件のメールを見るまでは…。
裏切られた妻たちは、どのような思いで耐え抜き、どのような行動に出るのだろうか?
「裏切られた妻たち」一挙に全話おさらい!
第1話:「旦那さん、浮気しています」ある日突然妻を襲った、不可解な一通のメール
「あなたの旦那さん、浮気しています。」
この文字が並んだ白いパソコン画面が、あゆみの脳裏に焼き付いて離れない。これは昨晩、突然会社のメールアドレスに届いたものだった。
衝撃的なメールのせいで一睡もできなかったあゆみは、ぼーっとした頭の中、8階にある部屋のリビングの窓から、明けたばかりの空を眺めていた。
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第2話:夫の浮気疑惑に、だんだん頭が支配されていく…。妻が取った、大胆な次の一手
12月23日、土曜日。
レシートに記載されたその日、あゆみの夫である樹は、確かに「男友達と忘年会」と言って出かけたはずだ。しかし、このレシートが示しているのは、 レストランでの二人分の食事。
ーこれは一体、何…?樹が嘘をついたっていうこと……?
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第3話:愛する夫の“身の潔白”を、信じたかったのに…。怪しい出張に尾行した妻が見た、悲し過ぎる光景
「今出ました、黒のコートに黒いリモワのスーツケースです。」
グループLINEで紀子と清香に送る。二人には、樹が14時過ぎに家を出ることを伝え、家の近くで待っていてもらった。LINEはすぐに既読がつき、緊張感が高まる。あゆみは急いで後を追い、途中で紀子たちと合流した。
言っていた通り、樹は電車で行くようだ。中目黒から恵比寿まで行き、JRに乗ったところで、急に雲行きが怪しくなった。
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第4話:「レシート、見たの…」夫を尾行して浮気を確信した妻が、真実を暴こうと決意した夜
「これ、あゆみの好きな、りくろーおじさんのチーズケーキ」
普段なら嬉しくて、すぐにでもお茶を入れて一緒に食べていたが、今はそんな気になれない。冷蔵庫にしまおうと扉を開けると、雑炊の鍋が入っていた場所が、ぽっかりと空いていた。
—紀子さんと清香ちゃんにも迷惑をかけたんだ。きちんと、樹に確かめなきゃ……。
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第5話:浮気を“された妻”は後を絶たない。友人が見つけた、腹立たしい夫の浮気の痕跡
過去に浮気を疑った時には、すがる思いで対処法をネットで探した。多くのサイトは、「旦那さんが帰りたくなるような暖かい家庭を心がけて、問い詰めずに待ちましょう。ただ、軽く釘は刺しておきましょう」そんな風に書いてあった。
紀子は素直にそれに従い、家事は完璧にこなし、子供たちが懐くように徹を褒め、仕事から帰って来た彼のことは常に労った。
たまにストレスで怒りが爆発しそうになっても、「決してヒステリックになってはいけない」と書いてあったので、気分転換をしたり体を動かすことで、何とかやり過ごした。なのにー。
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第6話:「絶対に浮気をしない人などいません。」夫婦関係を過信した妻に突きつけられた、予想外の言葉
「失礼。ただ、あなたは少し過信しているように思いました。先ほど“浮気をするような人”と言いましたが、それはどんな人でしょう?」
星川は怯むことなく、真っ直ぐ目を見て質問してくる。
「それは……。不誠実だったり、女性が大好きだったり…」
「北岡さん。はっきり申し上げますが、私の経験上、絶対に浮気をしない人なんていません。しやすい・しにくいはあると思いますが、ある条件が重なると、人は過ちを犯す可能性が高まるのです」
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第7話:不意に見せた、昔と変わらぬ優しい態度。反省したかに思われた夫の浮気現場を、探偵に暴かれた夜
「私ね、見た目が結構派手だから…よくお金目当ての結婚だって誤解されるけど、夫とは正真正銘の恋愛結婚なの。少なくとも私は彼に夢中だったわ。
出会った頃の彼はまだ会社を立ち上げたばかりで、お金もなくて忙しくて…全然構ってもらえなかった。それでも、彼のことが大好きだったの」
真っ暗な夜道の中、夫とのなれそめを話す紀子の横顔は、見惚れるほど美しく見えた。
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第8話:「夫はこんな人と浮気を…?」探偵から届いた浮気相手の写真から、男の“本気”を感じとった妻
「北岡さん。今、ご主人が杉並区のアパートに入って行きました。確認ですが、こちらに住まれているお知り合いなどはいらっしゃいますか?」
あゆみは一瞬考えたのち、何とか声を振り絞った。
「いえ…。主人の知り合いで、その辺りに住んでいるという話は聞いたことがありません…」
絶対にない、とは言い切れないが、今までそんな話を聞いたことがない。すると、星川から写真が届いた。
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第9話:「最低なのは分かっている…。」それでも妻を裏切り、許されぬ恋を貫こうとする夫の本心
当時の僕は目立つ方だったと思うが、特別にモテるわけでもなく、また2歳も上の先輩に本気で相手にされるとは思っていなかった。先輩が先に卒業をしてからは、風の噂で近況を聞く程度で、直接連絡をとることはなかった。
「もしかして…。北岡君?」
5年ほど前、地元で高校の同級生達と飲んでいたところ、偶然彼女に再会した。驚いたことに、由香里の方から声をかけてきたのだ。
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第10話:「女の一番いい時を、無駄にして良いの?」夫の若い浮気相手を黙らせた、40歳女のプライド
日曜日の午後。紀子は子どもたちを水泳と英語教室に送り出し、一人の時間を楽しんでいた。夫の徹は、最近すっかり大人しくなっている。浮気について釘を刺した後、初めこそ少しギクシャクしたが、最近はまた平和な日々に戻っていたのだった。
—今日はジムに行くだけって言っていたから、もうすぐ帰ってくるかな。
そう思った矢先、ピンポーンとチャイムが鳴った。
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第11話:「妻を愛していたし、浮気願望もなかったのに…」犯した過ちの大きさに気がついた、男の懺悔
―樹に…直接聞いてみよう。ほんとの気持ちが知りたい。
星川探偵事務所に依頼して得た浮気の証拠を元に、あゆみは夫の樹と話し合うことを決意した。以前浮気について問い詰めたら苦しい言い逃れではぐらかされたが、この証拠を見せれば白状せざるを得ないだろう。
「今夜、帰ります。話があります」
ランチで来ていた『グランド・セントラル・オイスター・バー&レストラン 品川店』からLINEを打つ。少し緊張しながら、送信ボタンを押した。
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第12話:浮気発覚後、一度は前向きに考えた夫婦関係の再構築。しかし“裏切られた”事実は簡単には消えない
「彼女とは、その写真の時に別れたんだ」
樹に不意に言われたその言葉に、どう反応して良いのか分からずに、あゆみはしばし固まってしまった。探偵事務所に頼んで浮気の証拠を抑え、やっと夫の樹に自白させることができた。しかし、もう別れたと言われても…
「そんなこと、どうでも良い。浮気したのは事実でしょう?それにもう、本当かどうかも信じられない…」
第12話の続きはこちら
第13話:「僕から誘った…」浮気相手との直接対決で彼女をかばう夫。絶望した妻に突きつけられた、ひとつの真実
土曜日の14時半。あゆみは早目に家を出て、今までの経緯を話しながら、星川と少し打ち合わせをした。
「そんなことになっていましたか…。北岡さんも、案外馬鹿なことをしますね」
相変わらずの言い方だな、と思いながらも、星川が来てくれただけで有り難かった。
「今日の目的は、相手の方を見て慰謝料を取るか考えたい、ということですか?」
第13話の続きはこちら
第14話:「辛いのは、裏切られたと思うから」夫の浮気の真相に愕然とする妻を突き動かした、ある言葉
「元夫の…実家のある場所です」
「やはり、そうでしたか…」
浮気騒動の全ての始まりだった、一通のメール。星川はすべてが繋がったのか、小さくうなずいてから、皆に説明した。
「あゆみさんにメールの話を聞き、調べさせて頂きました。フリーアドレスだったので難しかったのですが、どこの地域から送られたのか調べることができました。メールの犯人は多分、神山さんの元ご主人でしょう」
第14話の続きはこちら
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