裏切られた妻たち Vol.9

「最低なのは分かっている…。」それでも妻を裏切り、許されぬ恋を貫こうとする夫の本心

一見、何の問題もなく幸せそうに見える仲良し夫婦。

けれども彼らの中には、さまざまな問題を抱えていることが多いのだ。

仲良し夫婦だと思っていた北岡あゆみ(32歳)は、あるメールをきっかけに、夫である樹が浮気をしていると確信する。しかし、決定的な証拠がなく、問い詰めても言い逃れをされるばかり。

悩んだ末、あゆみは探偵事務所に調査を依頼し、とうとう浮気の事実を知ることとなった。


夫・樹の言い分


―今日、久しぶりに会える?

ここ最近、妻に浮気を疑われていたので、神山由香里と会うのは自重していた。

しかし1ヶ月ほど経ち、あゆみとの関係も元に戻ったと思ったので、そろそろ大丈夫かと連絡をする。送ったLINEはしばらく既読がつかなかったが、数時間して返事があった。

―分かった。ちょうど、話したいことがあるの。

その返事を見て、僕はドキリとした。女性がこうした言い方をする場合、大抵良い話ではない。

―仕事が終わったら直接そっちに寄るよ。20時過ぎると思う。

はやる気持ちを抑えながら、頭を仕事モードに切り替える。

由香里とは、同じ高校のバスケ部で出会った。自分より2歳上の先輩で、マネージャーをしていた彼女は、男たちからの憧れの的だった。

派手な感じではなく、清楚で整った顔立ち。凛とした佇まいとは少しギャップのある、可愛らしい笑い声。僕も皆と同じように、彼女に恋い焦がれていた一人だ。

当時の僕は目立つ方だったと思うが、特別にモテるわけでもなく、また2歳も上の先輩に本気で相手にされるとは思っていなかった。

先輩が先に卒業をしてからは、風の噂で近況を聞く程度で、直接連絡をとることはなかった。

「もしかして…。北岡君?」

5年ほど前、地元で高校の同級生達と飲んでいたところ、偶然彼女に再会した。驚いたことに、由香里の方から声をかけてきたのだ。

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