シバユカ Vol.3

シバユカ:タワマンホムパに群がる女はパセリのようなもの。所詮、添え物は本命になれない

謎のインスタグラマー


「楽しんでいってね」

渡辺にそう声をかけてもらったものの、私は所在無げに過ごす他なかった。

梨奈以外に知り合いはいないが、彼女は渡辺の隣につきっきりで、邪魔するのも悪い。

数多くいる他の女性たちは、渡辺の知り合いだという男性3人の周りに文字通り群がっているが、そこに紛れる気にはなれなかった。

良い出会いがあるかも...なんて、ちょっとでも期待した自分が恥ずかしい。

私を含め、彼らにとってここにいる女性は “飾り”と同じ。

見栄えのためだけに料理に添えられる、パセリのようなものだ。人として対等に、まともに相手にされるわけがないだろう。

私は割り切って“飾り”に徹することに決め、用意された豪華なケータリングを楽しんだ。

盛り付けやメニューのレパートリーなどをメモしておけば、今後、自分の仕事の参考にもなるかもしれない。


「お料理、美味しいですよねぇ」

頭の中でレシピを考えながらチキンのハニーマスタード煮を味わっていると、可愛らしい声がした。

振り返ると、笑顔で佇む女性の姿があった。同じ女でも、つい頬が緩んでしまう人懐っこさがある。

若く見えるが、私と同じくらいの年だろうか。目鼻立ち......


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