年内婚約 2017 Vol.22

年内婚約 2017 最終回:彼も私も、馬鹿じゃない。婚活に全精力を注いだ女が最後に悟った、たった一つの真理

―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。

麻里は本気の婚活を決意するが、恋人となった優樹結婚に前向きでない。そんな中、KY男・和也結婚前提の告白を受け、ついに一線を超えそうになる

寸止めで思い止まった麻里だが、今度は優樹の意地悪な元カノ登場。優樹が結婚を真剣に考えていると知らされた。


「麻里ちゃん...、来てくれてありがとう」

麻里の姿を見ると、優樹はホッとしたように微笑んだ。

麻里が一目惚れした、少し自信なさげな、控えめで優しい笑顔。この数日間さんざん悩んだ結果、麻里は優樹に指定されたリッツカールトン東京内のフレンチレストラン『Azure45』にやってきた。

45階から眺めるクリスマス・イブの夜景は、圧倒的にロマンチックだ。目の前の東京タワーが、まるで温かい火を灯したように優しい光を放っている。

「今日も本当に可愛いね。そんな服が似合う人、麻里ちゃんしかいないよ」

今日はYOKO CHANのバルーンドレスを選んだ。色はもちろんピンク。

そう。麻里はピンクのミニドレスなんて代物を、何の無理も躊躇いもなく着られる20代のうちに結婚すると心に決めたのだ。女盛りのピーク。その最高値に見合う、最適な男と。

「今日は、改めてきちんと麻里ちゃんに話があるんだ」

いつになく真剣な優樹の眼差しを、麻里はしっかりと受け止める。

優樹の元カノの話が真実であるなら、今夜自分はここでプロポーズされる。年内婚約の目標は達成されるのだ。

「うん...」

しかし、しおらしく微笑みながらも、麻里の心には迷いがチラつく。

ここに向かうエレベーターの中で、和也からの連絡があった。頭の中は、彼のことでいっぱいだったのである。

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