年内婚約 2017 Vol.18

「力ずくで奪うよ?」誠実だったはずの男が、彼氏持ちの女に牙を剥いた夜

―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。

麻里は本気の婚活を決意するが、晴れて恋人となった優樹結婚に前向きでない。そんな中、KY男・和也結婚前提の告白を受けるも、結局、優樹を選んでしまう

だが、ただの通い妻に成り下がったと感じる麻里は、つい和也に電話をしてしまった。


「どうした?今から会う?」

たったの数コールで電話に応答した和也の声が、スマホ越しに耳に響く。

それは少しうわずった、麻里を心配するような心のこもった声だった。いつもは傍若無人で意地悪な男にそんな声を出されると、なぜか切ない気持ちになり、かえって返答に困ってしまう。

―今から、本当に会えるの?数日前に自分を振った彼氏持ちの女のために、わざわざ土曜の夜に時間を割いてくれるの?

頭にはいくつも疑問が浮かんだが、そんな戸惑いに反し、麻里の口は勝手に強がりを言った。

「...ううん、いいの。たまたまヒマになっちゃって、何となく電話しただけだか...」

「じゃあ、家にいるんだな?30分くらいで十番に行くよ。店は考えてあとで連絡する」

しかし和也は麻里の言葉を強引に遮り、一方的に電話を切った。

―男の信頼度は、口先より行動よー

麻里は通話の切れたスマホを眺めながら、親友のみゆきのいつかの言葉をぼんやりと反芻していた。

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