年内婚約 2017 Vol.16

「あんなにディスってた男と、付き合うの?」結婚のため、理想より条件を選んだ親友への困惑

―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。

麻里は本気の婚活を決意し、運命の男・優樹に出会う。しかし晴れて結ばれた優樹に結婚の話はしたくないと断言され、麻里は撃沈する。そして、以前出会ったKY男・和也に思いがけず告白を受けランチデートを決行したが...?


「なに、彼氏?」

優樹からの突然の連絡に動揺する麻里に、和也は容赦なく突っ込む。

「いや、別に...」

必死に誤魔化して食事を続けようとするが、和也は不機嫌そうに麻里を見つめたままだ。

「別に隠さなくていいよ。彼氏のとこ行って来いよ。俺、別れるの期待して待ってるわ」

「な、なんで、そこまで...?和也くんだって、周りに女の子なんていくらでもいるでしょ?それとも、私のことからかって楽しんでるの?」

和也のあまりに理解ある発言に、自然と懐疑心が湧く。特に港区界隈では、男の妙に甘い発言は要注意なのだ。

「まぁ、出会いはあるっちゃあるけど。何かもう、遊ぶのとか飽きたし。それに“いいな”って思う女、そう簡単にいねーじゃん。そうだな...お前が年内婚約めざしてるなら、俺は年内破局を待ってみるかな」

「年内破局、ですって...?」

麻里が思わず顔を歪めると、和也はプッと吹き出し、ケラケラと笑い始めた。

「その顔。なんか麻里って、表情豊かで面白いんだよな」

―あれ...?

そのとき麻里は、不意打ちを食らったように、ドキっと胸が高鳴った。

そういえば、いつも憎まれ口を叩き合っていた和也の無防備な笑顔を見たのは初めてで、それは予想外にとても可愛かったのだ。

【年内婚約 2017】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo