年内婚約 2017 Vol.17

それは愛情?それとも執着?不本意に「通い妻」に成り下がった女の荒んだ葛藤

―私、年内に婚約するー

都心で煌びやかな生活を送る麻里・28歳は、ある日突然、こんな決意を固めた。

女の市場価値を冷静に受け止めれば、20代で結婚した方が絶対お得に決まっている。

掲げた目標は“今年中にプロポーズされる”こと。

しかし晴れて結ばれた優樹に結婚の話はしたくないと断言される。沈。そして、以前出会ったKY男・和也結婚前提の告白を受けるも、麻里は結局、優樹を選んでしまった。


―私って、馬鹿な女なのかな...。

優樹とヨリを戻したことを和也に伝えてから数日、麻里は自分で下した決断に自己嫌悪を抱いていた。


心から愛しているが、結婚の可能性は薄い男・優樹。
それほど心は動かないが、条件的にも文句ナシ、結婚前提のオファーをくれる男・和也。


本気で年内婚約を目指すならば、和也を選ぶのが正解に決まっている。親友のみゆきにも何度も忠告を受けたし、不毛な選択をしたのは頭では分かっている。

しかし、それでも優樹に「好き」と言われると、理屈ではなく、どうしても感情に引きずられ、和也を選ぶことはできなかった。

28歳。女の市場価値としてはギリギリMAX。この時期を無駄にしようものなら、戦場のような東京婚活市場でのサバイバルはますます熾烈なものとなるだろう。

―でも...結婚なんかできなくても、本当に幸せなのは、心から好きな人と一緒いられることじゃない?

―それに、優樹を信じてこのまま順調に愛を育めば、突然プロポーズされる可能性だってゼロじゃない...。

麻里はそんな風に自分を励ますこともあれば、都合の良い解釈で現実から目を逸らす自分に嫌気がさすこともある。

何かがちがう。何かがちがう。

頭の隅で小さく警報を鳴らす違和感を拭えぬまま、時はとうとう、12月に突入した。

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