にゃんにゃんOL物語 Vol.16

2017年ヒット小説総集編:「にゃんにゃんOL物語」(全話)

定時帰りの、腰掛けOLたち。

楽な仕事に給湯室での井戸端会議、充実したアフターファイブ。

”安定”という鎧を手に入れた彼女たちは保守的で、誰かが幸せにしてくれるのを待っている。

丸の内の大手損保会社に勤める愛華(26)も、その一人。典型的な腰掛けOLである彼女には、実はこんなあだ名がある。

“にゃんにゃんOL”、と。

この物語は、元OLで現在はWebショップオーナーであるアリサ(29)の、“にゃんにゃんOL”観察日記である。

「にゃんにゃんOL物語」一挙に全話おさらい!

第1話:“慶應卒の商社マンと結婚したい”と願う、腰掛けOL(26)は幸せなのか?

彼女たちは、“資格取得”が大好きだ。英検、秘書検定など役に立つものから、フラワーアレンジメントやフードマイスター、発酵講座に◯◯美容検定など。感心するくらい、次から次へと新しい資格を取得している。

「それってさ、何かの役に立つの?」

アイスティーに飽き、昼だけれども白ワインのグラスを頼もう。店員さんを待つ間、愛華の行く末を案じずにはいられなかった。

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第2話:年収460万のOLは、年収1,000万以上の男性に見向きもされない

結衣がお茶を淹れながらおっとりと笑っている。その所作は丁寧で、結衣は一見おしとやかに見えるが、実はかなり年上の彼氏がいる。

彼に生活を支えてもらいながら、結婚できる相手を、あらゆる機能(デーティングアプリに食事会、結婚相談所など)を駆使して探しているのだ。

私は、結衣のようにしたたかに生き抜くこともできなければ、アリサさんのように独立して自分でバリバリ頑張ることもできない。怒られることも、傷つくことにも免疫がない。ため息をつきながら人数分のお茶を入れ、時計を見た。

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第3話:にゃんにゃんOLにもパターンあり。抑えておくべき「ノーマル・腹黒・進化系」の生態とは?

「だから、何度も言ったでしょ?ある程度のレベルの人のお嫁さんになりたいならば、自分の市場価値をあげなさい、と。」

さっきから、目の前に座って呑気にミルクティーを飲んでいる愛華たちに何度も諭してみるものの、何を言ってもふにゃふにゃしている。先日の食事会の反省会をしたいと言われ、愛華と、愛華の同僚である結衣から呼び出された。

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第4話:キャリアに向き合うべきか、婚活に励むべきか。聖地・丸の内で焦る26歳

ただ、私はアリサさんに聞いて欲しかった。自分にはもっと違う道があったのカモしれない。それか、出会いがあれば今頃既に結婚していたカモしれないし、もし英語が話せれば、外資系企業でカッコよく働いていたカモしれない。

でも現実は、どこに向かえばいいのか分からない。その上、いつかは辞めたいと思っているような会社にいる。それでも、毎日頑張っている自分を認めて欲しかった。

「あのさ、愛華ちゃん...」

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第5話:“ゆるふわ系”が許されるのは何歳まで?可愛いだけじゃ勝負できぬ、にゃんにゃんOLの策略

「で、なんで私もここにいるの?」

愛華と和樹が約束した金曜日。なぜか二人と、和樹の同僚・慎吾と4人で『センシ バイ ハインツ ベック』のテーブルを囲んでいた。

「和樹さんが、せっかくだから四人でご飯を食べようって。」

愛華が嬉しそうに話しているが、本当は二人の方が良かったのではないだろうか。そんなことを一人で色々考えているうちに、続々と料理が運ばれてきた。

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第6話:「彼は、何の仕事してるの?」の真意。Google検索で、男の年収を競い合うにゃんにゃんOL

和樹の話をしながら、少し鼻高々になった自分がいた。これだけ言うと、大概のOLたちは和樹のランクを推し量れるから。あえて会社名を言わなくても、業種とオフィスの場所、そして所属部署だけで十分だ。

それだけで、結婚に対してアンテナを張り巡らせている女性たちは、男性の年収を推測できるくらいの情報量を持っている。

「へぇ...愛華ちゃん、良かったね。」

そう言う結衣の顔が、少し歪んでいたのは気のせいかしら。

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第7話:年間25万の(無意味な)資格取得を生きがいにした結果、大事なチャンスを逃すにゃんにゃんOL

宅建とか、簿記など、実用性があり、困った時に身を助けてくれるような資格は世の中に溢れている。それなのに、どうも彼女たちはそのような資格には興味がないらしい。

「んー、専門的なのはちょっと。私、文系ですし。」

—愛華が取得したアロマ系の検定は、文系ってことなの!?

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第8話:浮気の代償、咎められるのは女ばかり。にゃんにゃんOLは会社にとってただのお飾り?

胸がドクン、と鳴る。結衣は以前から、食事会などに行くたびに“丸の内で働いている”ことを強調していた。 丸の内OLという響きの良さを誰よりも気に入っており、自分の価値はそこにあると信じて疑っていなかったのに。それなのに、五反田に飛ばされるなんて...。

「でも、部長の方は何もお咎めなし。今日も元気に営業中、だってさ。」

思わず、キーボードを叩く手が止まった。

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第9話:“主婦インスタグラマー”は、現代版シンデレラストーリーのお手本?「いいね!」の数に悶えるにゃんにゃんOL

そう言えば、OL時代のランチタイムは1時間と決まっていた。出社時間も、退社時間も全て会社が決めた規則通り。タイムスケジュールにさえ従っていれば、“とりあえず大丈夫”という安心感はある。でも一度そこから離れてみて、気づいたことがある。

人生は、無限大の可能性で満ちていることに。

だから私はお節介だと知りながらも、愛華にそれを気づいて欲しくて、つい色々と言ってしまうのかもしれない。そんなことを考えていると、愛華からLINEが入った。

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第10話:勝負デート前日。貯金ゼロでも1枚8千円のシートマスクで、“セレブ妻”を夢見るにゃんにゃんOL

「女性って、男性の見えないところで色々と投資しているじゃないですか。だから食事代くらい、男性が支払うものだと思うんです。でも和樹さんって、必ずデート代徴収してくるんです」

稼いでいる方が支払うのが当然の義務じゃないの?と思うのはおかしいのだろうか。丸の内を歩けば、皆エリートサラリーマンで、女同士でバーに入れば、数杯奢ってくれる男性なんて次から次へと現れる。

だって、私は丸の内OLだから。そんな環境が、当たり前。素直な気持ちを言ったら、またアリサさんに、バサリと切り捨てられた。

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第11話:天性の“可愛げ”を持つにゃんにゃんOL。上昇志向が強過ぎる残念女にとっては、目障りな存在?

—あと10分...

ランチと言えども、どこで誰に会うか分からない、チャンスが溢れる街・丸の内。エリートサラリーマン達が一斉に会社から出てくるランチタイムは、例え彼氏がいようとも、気合を入れる必要がある。

ランチで外に出る前に、お化粧室に行って化粧でも直さないと。そう思って席を立とうとした瞬間に、最近総合職へ転換した景子さんから呼び出された。

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第12話:就職活動より、難易度高め。仕事から逃げるために結婚したい、にゃんにゃんOLたちの婚活

愛華が和樹と交際を開始して、約半年。妙齢だし、結婚を意識するのは当然と言えば当然のこと。しかも前から結婚願望の強い愛華のことだから、その気持ちは人一倍強いのかもしれない。しかしよくよく話を聞いていると、愛華が結婚に焦る本当の理由が見えてきた。

「そろそろ、仕事を辞めたいんです...」

そういうことか...。景子との一件があって以来、愛華の仕事に対する意欲はさらに削がれていた。その件に関しては景子に完全に非があると思うけれど、仕事から逃げるための結婚は、果たしてよい結末を迎えるのだろうか?

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第13話:「丸の内勤務・OLのA子さん」の代わりは、たくさんいる。私がにゃんにゃんOLを辞めた理由

翌日も、翌々日も、全く同じ。それは永遠に代り映えしない日々のように思えた。安定という素晴らしさはあるし、この会社にいる限り食いっぱぐれることはない。ただ、これでいいのだろうか。

仮に私がいなくなったところで、“OL・A子さん”の代わりはたくさんいる。それは“吉田アリサ”という一人の人間である必要など何もなく、誰でもいいのだ。

そんな時、不意にネットでとある商品に目が留まった。

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第14話:幸せって何ですか?永遠に上を見続けるにゃんにゃんOLは、たとえ結婚できても変わらない

和樹さんから貰った婚約指輪は、SNSでよく見るような、憧れだったハリー・ウィンストンでもなければ、1.5カラットもない。だけど、私は幸せだった。

これで、“一抜けた”と心底安心し、幸福感と充実感、そしてちょっぴり優越感に浸りながら、私は女の子が一生で一度は着たいと夢見るウェディングドレスを着ている。無事に“商社マンの奥さん”という地位を手に入れ、これで一生安泰。そう信じていた。

まさかこんな未来が待ち受けているなんて、この時の私は全く想像していなかった。

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