LESS~プラトニックな恋人~ Vol.4

LESS〜プラトニックな恋人〜:女なら、抱かれたいに決まってる。心の叫びに気づいた夜

今、東京の男女が密かに抱えている悩みがある。

恋人や夫婦間での、肉体関係の喪失だ。

この傾向は、未婚の男女においても例外ではない。

化粧品会社でPRをしている美和子は、大手損保企業に勤める健太と恋に落ち、同棲を開始。

相思相愛、周りも羨むお似合いの二人だが、同棲1年が経つ頃、不完全燃焼の夜を境にして“プラトニックな恋人”となっていく。

私と抱き合えなくて、どうして平気なの?

美和子は意を決して思いをぶつけるが、健太は問題に向き合おうとしない。


1年半ぶりの夜


「美和子に、報告があるの」

女子大時代からの友人・茜から改まったLINEが届いたのは、彼女の結婚式から1年が経つ頃だった。

気がつけば茜も私も30代に突入し、先に結婚した友人たちから続々と“ご報告”が届いていたから、彼女からの連絡もまた、懐妊の知らせであることはすぐにわかった。

幸せを心から一緒に喜びたいのに、私の胸はしくしくと疼く。

それは誰のせいでもない。前へ進むべきだとわかっていながら、同じ場所をただぐるぐると回り続ける自分自身への、苛立ちに他ならなかった。

−私と抱き合えなくて、平気なの?

意を決して気持ちをぶつけたあの夜

しかし健太は私たちの間に問題などないと言い切り、それ以来、あからさまに“その話題”を避けるようになった。

私自身もそんな健太を前に、問題を顕在化することが良いのか悪いのか判断がつかず、関係が壊れてしまうことを恐れる気持ちが勝ってしまっていた。

…実は、私の30歳の誕生日、健太が予約してくれた『アルカナ イズ』で、私たちは久しぶりに抱き合った。

非日常、そして東京とは明らかに違う時間の流れが、しがらみを解放してくれたのだろう。

しかし、約1年半ぶりの刺激は窮屈な痛みを伴って、彼がかろうじて中で果てた瞬間、私はとても冷静にただ、ホッとしていたのだった。

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