エリート亮介の嫁探し Vol.5

東京の婚活市場は、策士だらけ?エリート男が見破れなかった、“遊んでなさそう”な女の本性

エリートとはフランス語のéliteが由来で、「選び抜かれた人」という意味だ。

日本で言われる“エリート”とは、学歴が高く且つ年収の高い男性を指す場合が多い。

東京大学出身、その後大学院を経て世界的IT企業のアメリカ本社への転職が決まっている亮介は、まさに世に言う”エリート”。

そんな亮介が、日本に一時帰国している半年の間に、日本での婚活を決意する。

しかし、亮介の婚活はなかなか苦戦を強いられる。食事会で出会った小悪魔女子の瞳ホームパーティーで出会った綾乃は、亮介の理想には合わなかった。

そしてやっと出会えた心惹かれる女性、香奈。しかし、亮介と話しているうちに、香奈の表情は曇っていく。


「あぁ、またか。」

香奈は、亮介との2回目のデートでひどくがっかりした。

亮介はまず見た目が合格点であり、さらに勤め先を聞いて、この出会いを何とかモノにしたい、と思った。

しかし2回目のデートで亮介に起業願望があることを聞いて、これは考え直さなければ、と考えが変わった。

付き合う前の男性に結婚観を聞くのは無粋だと分かっていたが、真面目そうな亮介ならきちんと答えてくれるだろう、と聞いておいたのが良かった。

ー珍しく、優良物件だと思ったのに。

香奈にとっては「起業したい」イコール「俺はビッグになりたい」と言っているようなものだ。

ーどうせ、人にこき使われたくない、とか、一発当ててやろう、程度でしょう?

昨今の起業ブームから、起業願望のある人は少なくない。しかし、香奈が出会った「起業したい」と簡単に口にする人達は、片瀬のような一部を除いて、どこか社会に適合できずに逃げている人のように感じられた。

香奈がそう思うようになったのは、祖父が原因だった。

小さな繊維メーカー会社に勤めていた祖父は、健康食品の会社を作ると言って、ある日突然会社を辞めてしまった。後先考えずに行動してしまう祖父の事業は、予想通りうまくいかず、そのおかげで祖母は随分苦労をした。

「ちゃんとした勤め人と結婚しなさい。生きる上でお金は大事よ。」

それが祖母の口癖だった。

香奈の母はその言葉通り、大手メーカーに勤める実直な父と結婚し、それなりに幸せに暮らしている。香奈も当たり前のようにそれを求めていた。

ーせっかく小細工までしたのに…バカみたい。

香奈は、亮介に嘘はついていない。豪華なパーティーは苦手だし、お婆ちゃん子なのも本当だ。ただちょっと、二人になるチャンスを狙ったり、ポーチをこれ見よがしに落としてみただけで。

―こんなことで落ちるなんて、亮介君はちょっとウブすぎるかな?

そんなことを思いながら、香奈は亮介を頭の中で彼氏候補から外し、その日のデートは適当に終わらせることにした。

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