エリート亮介の嫁探し Vol.10

エリート男にも解けない謎。結婚を前提にやり直そうとしている元カノに広がる、不穏な噂

エリートとはフランス語のéliteが由来で、「選び抜かれた人」という意味だ。

日本で言われる“エリート”とは、学歴が高く且つ年収の高い男性を指す場合が多い。

東京大学出身、その後大学院を経て世界的IT企業のアメリカ本社への転職が決まっている亮介は、まさに世に言う”エリート”。

ビザ取得のため、日本に一時帰国している半年の間に、亮介は日本での婚活を決意する。

しかし、亮介の婚活はなかなか苦戦を強いられた。

パーティーで出会った香奈との出会いによって、少し女性不信になる亮介。

けれど、という彼氏持ちの女性を見て、“恋愛っていいな”と思い始めた。

そんな時、元カノの里緒が別れ際に言った言葉の真相が分かり、亮介は再び里緒に惹かれ始める。


「ごめんね、ちょっと今仕事に追われていて。また時間取れそうなら連絡するね。」

ロック画面に表示された、里緒からのLINE通知。

5年前に別れたときの誤解が解け、それから2度ほど食事に行った。里緒はあの頃と変わらず細かい気遣いのできる大人で、会話も楽しく、亮介はある決心をしていた。

ー里緒とやり直したい。結婚を前提に。

しかし里緒の仕事が忙しくなったため、最近はなかなか会えず、関係は進展していない。

ー次に会ったら、思いを伝えよう

気がつけば、亮介が日本にいる期間も残り3ヶ月を切っている。前回のように里緒を不安にさせない為にも、すぐにでもやり直して一緒の時を過ごしたい。

気持ちばかり焦る中、里緒からは予定以外のLINEのやりとりもなく、一人思いを募らせていた。



「うわ、今朝はやけに寒いな…」

悶々とした気分を晴らすため、ジョギングで頭をさっぱりとさせたかった。

無心で走っていると、いつものように「おはようございます」と恵が現れた。

「おはよう、こんな寒いのによく続くね。」
「それはお互い様ですよ。」

そう言って走る恵の姿は軽やかだ。

「この間はマドレーヌありがとう、美味しかった。あれ、手作りだよね?手作りとか久しぶりに食べたよ。」

「よかった、手作りなんて少しやりすぎかなって思ったんですが…。実はちょうど彼氏にあげる予定があったので、多めに作ったんです。」

“ついでだったのか”と思い、ホッとした。やはりいきなり自分のために手作りを渡されると、少し勘ぐってしまう。

「料理上手なんだね、彼氏も嬉しいだろうね。」

「そんなことないですけど…作ってくれる彼女とかいないんですか?」

一瞬里緒の顔が浮かんだ。昔はお金がなかったから、たまに一緒にご飯を作ったりしたことを思い出した。けれど、今は“彼女”ではない。まだ……。

「そうだね、今は残念ながら。」

「そうなんですね、意外!じゃぁ、この間一緒に歩いていた美人さんは…?」

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